気象病(気圧症)とは?
気圧症は、季節の変わり目や梅雨、台風の時期など、気候変化に伴って引き起こされる体調不良を指します。この症状は、自律神経や体内の水分バランスが乱れることで現れます。典型的な症状には以下のようなものが含まれます。
- 頭痛
- めまい
- 疲労感
- 首や肩の凝り
- 低血圧
- 関節痛
- 手足のしびれ
- 気持ちの落ち込み(うつ症状)
- 吐き気
- 喘息や狭心症の悪化
- 古傷の痛み
これらの症状は、個人差はあるものの、多くの人が気圧変化を感じ取る際に経験します。
気圧症の原因
人間の体は、呼吸、体温調節、消化、血液循環といった生命維持に欠かせない機能を自律神経(交感神経と副交感神経)によって自動的に調整しています。
気圧症は、この自律神経のバランスが気圧・気温・湿度といった外的環境の急激な変化に対応しきれず、崩れることで引き起こされる症状です。
特に気圧の変化は耳の奥にある内耳の前庭器官に影響を与えます。
この器官は気圧の変化を敏感に感知し、その刺激が交感神経の活動を過度に高める結果、自律神経全体のバランスが崩れ、頭痛やめまいなどの不調を感じやすくなります。
東洋医学による気象病の見方
東洋医学では、湿度が高い環境により汗をうまくかけなくなり、体内に余分な水分や老廃物が溜まることが「湿邪(しつじゃ)」と呼ばれ、これが原因で体の巡りが悪くなります。湿邪は以下の症状を引き起こすとされています。
- 頭痛
- 消化不良
- 便秘
- むくみ
- 関節痛
- 膀胱炎
特に消化器系は湿邪に影響されやすく、胃腸が弱い人は「夏バテ」や体調不良を早期に感じやすいです。
さらに、湿邪と風邪(ふうじゃ)が合わさった状態を「水滞(すいたい)」と言い、この状態では以下の症状が現れます。
- 頭痛や頭重感
- めまい
- 倦怠感
- むくみ
- 気分の落ち込み
- 吐き気
- 関節痛
- 難聴
杉本接骨鍼灸院の気圧症治療法
気圧症は、現代医学と東洋医学の双方のアプローチから治療が可能です。
杉本接骨鍼灸院では、鍼灸治療を用いて体内に溜まった余分な湿気を除去し、自律神経のバランスを整えることを目指しています。
除湿のツボ治療
気圧症の緩和に有効な「除湿ツボ」を以下に紹介します。自宅で簡単にケアできるため、日々のセルフケアにも役立ててください。
- 湧泉(ゆうせん)
効果:全身の活力を向上させるツボ。疲れを感じた時に押すと、身体にエネルギーが巡りやすくなります。 - 三陰交(さんいんこう)
効果:女性特有の症状にも対応できる万能ツボで、血流を改善しむくみを取る効果があります。更年期症状にも有効です。 - 内関(ないかん)
効果:平衡感覚を正常にし、めまいや吐き気を和らげます。また、胃の不快感や乗り物酔いの予防にも使用されます。 - 外関(がいかん)
効果:自律神経を調整し、疲労回復や頭痛緩和に効果的です。
これらのツボは5秒間ずつ、じんわりと押し込むようにして、3回繰り返してマッサージすることをおすすめします。
食事療法と漢方による気圧症改善
気圧症の改善には、鍼灸治療に加え、食事や漢方薬の活用も重要です。杉本接骨鍼灸院では、以下のような栄養療法を取り入れることを推奨しています。
- 利水作用のある食材:利水効果のある冬瓜、きゅうり、ハトムギなどの食材を取り入れ、体内の余分な水分を排出しやすくしましょう。
- 健脾(けんぴ)作用:胃腸を整えるため、山芋やカボチャ、大豆製品など、消化吸収を助ける食材を積極的に摂取してください。
また、漢方薬としては以下のものが有効です。
- 五苓散(ごれいさん):余分な水分を排出し、むくみや頭痛を和らげる。
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):めまいや耳鳴りに効く漢方で、特に気圧の影響を受けやすい人に推奨されます。
自律神経を整え、気圧症を予防する生活習慣
気圧症の根本的な改善には、日常生活の見直しも重要です。特に自律神経を整えるために、以下のポイントに注意しましょう。
- 規則正しい生活:毎日同じ時間に寝起きし、体内時計を整えることが、自律神経のバランスに大きく影響します。
- 適度な運動:ウォーキングや軽いストレッチは、血流を良くし自律神経の調整に役立ちます。
- ストレスケア:リラックスする時間を持つことで、交感神経と副交感神経のバランスが保たれます。深呼吸や瞑想を取り入れてみましょう。
まとめ
気圧症は、気圧や気温の急激な変化によって引き起こされる体調不良で、自律神経や体内の水分バランスが乱れることで多様な症状を引き起こします。
杉本接骨鍼灸院では、東洋医学の知識を駆使し、鍼灸治療と食事・漢方療法を組み合わせて体のバランスを整え、気圧症に悩む人々の体質改善を目指しています。
全身の調子を整えるツボ治療と、生活習慣の改善を通じて、快適な日常を取り戻しましょう!