レントゲンで異常がない?

整形外科で検査をしても異常がない。でも「坐骨神経痛」と診断されていませんか? 少しだけ、考えてみてください。医師はあなたの体の硬さや筋肉の柔軟性を診てくれましたか? でなければ、本当に「異常がない」のでしょうか? レントゲンやMRIでわかることは骨や骨格の異常、変形です。それ以外の「硬さ」はわかりません。 もしあなたが同じ状況なら、私に一度触らせてもらえませんか?

背骨のS字カーブを維持できる柔軟性を保つ

本当の原因がわかれば治りますよ

正しい立ち方

壁と腰の間に手がぎりぎり入る隙間があれば、背骨のS字カーブがキープできています。ただし隙間がありすぎてもダメなので注意。 姿勢が悪い自覚があっても、姿勢をただし続けるなんてむりですよね。そこで必要なのがリセットするための運動と筋力です。 立っているよりも座っているほうが腰の負担は大きい! 日本人は世界でもっとも座っている時間が多いそうです。実は立っている時よりも、座っている時の方が腰への負担は大きくなります。座っている時の姿勢も気をつけましょう。 座っていると、お尻に全ての体重がかかります。骨盤の向きが悪いと、立っている時よりも3倍近くも負担が大きくなってしまいます。

正しい立ち方をチェックする方法は以下の通り。

  • 壁に背をつけて立つ
  • 頭が真上から紐で吊るされているイメージをもって背中を伸ばす
  • 軽くあごを引く
  • 肩をやや後ろに引いて胸を開く
  • お尻の穴をキュッと閉める
  • お腹を引っ込める

この時、壁に、頭部、背中(肩甲骨)、おしり、踵が触れていれば、正しい立ち方をしています。 腰と壁の間には、手の平が通る程度のすき間ができればOK!

正しい座り方

椎間板ヘルニアが原因の坐骨神経痛の場合は、寝ている体勢で脚を上げたり、腰を前屈する痛みが酷くなります。悪い姿勢で椅子に座っていると、痛みが酷くなってしまいます。 ヘルニアの場合は、椅子に浅く腰をかけて、少しお腹を突き出すような姿勢の方が楽になることが多いです。 正しい座り方をしていても長時間同じ姿勢をしていては、きんにくが硬くなってしまい、腰への負担も大きくなってしまいます。 だから、30分〜1時間に1度は立ち上がって、背筋を伸ばすストレッチをお勧めします。 畳や床の上に座るような場合には、正座にすると背骨のS字が維持しやすくて、腰への負担が少なくて済みます。逆に、あぐらや横座り、長座(脚を前に出して座る)は背中が丸まってしまいますので、腰椎への負担が大きくなってしまいます。

骨盤に乗ると腰が立つ

正しく座るためには、上半身を骨盤に乗せる感覚。腰椎の前弯を意識すると腰がたちます。 コツとして椅子に掛ける際に、背もたれに持たれずに深くかけます。背中をまっすぐにたてて、お腹を引っ込めて、あごを上げすぎないようにする。 膝はできるだけ直角にし、足の裏はつま先から踵まで全部、床につくようにする。正しい姿勢は辛いかもしれませんが、数分でもいいので、毎日続けるようにしましょう。悪い姿勢だと腰への負担がとても大きくなってしまいます。

坐骨神経痛がある時の寝方

就寝時は、うつ伏せは腰が反ってしまうので、負担が強くなります。 上向きに寝る時には、膝の下にバスタオルを丸めたものなどを挟むことで、背骨のS字が自然になります。 横向きがもっとも腰椎への負担が少なくなります。 寝たり、起きたりの動作の際には、寝返りをうって横向きになってから動作を続けることで、腰への負担が減ります。

仰向けに寝る場合

横向きで寝たほうが腰椎への負担が少ない。仰向けに寝るときは、膝の下にタオルやクッションを入れると背骨のS字カーブがより自然に維持できる。 下着や靴下、洗顔時に腰が痛くなるのは、前傾姿勢にならないといけないので、その際に腰への負担が大きくなってしまいます。特に椎間板ヘルニアの人は、坐骨神経痛が強く出てしまうことがあります。 無理をせず、椅子に腰をかけて動作するか、腰ではなく、膝を曲げて高さの調節をすると腰が前屈せずに負担が少なくて済みます。

重い物を持ち上げるときのポイント

重いものを持ち上げるとその重量が体重に加算されるので、腰にかかる負担もさらに大きくなります。椎間板ヘルニアは重いものを持ち上げる際に起こりやすいので、坐骨神経痛の原因にもなってしまいます。 だから、ものを床から持ち上げたりする際には、腰をまっすぐのまま膝を曲げて腰を落としてから持ち上げるようにしましょう。

デブと硬い体は坐骨神経痛が治りにくい

肥満と診断されるほどの体型になってしまうと腹筋もなくなってしまいます。そのせいで、背骨のS字が崩れてしまいます。特に腰椎部の前弯が消えてしまい、負担が大きくなります。 そもそも、体重が増えると立っていても、座っていても腰にも負担が大きくなってしまいます。 体が硬いと可動域が少なくなってしまいます。関節や筋肉の動く範囲が狭く、動きが悪くなると、硬くなってしまいます。硬くなった筋肉は坐骨神経を圧迫してしまいますので、坐骨神経痛の原因にもなってしまいます。 肥満の原因は運動不足と食べ過ぎがほとんどですので、栄養の見直しと、体を十分に緩めるストレッチと30分ほどのウォーキングなどを日課にすることを勧めます。

まとめ

坐骨神経痛だけでなく、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアも、長年の負担による腰椎や椎間板の劣化が直接的な原因です。 そしてその負担は、猫背のような前かがみの姿勢や、繰り返して重いものを持ち上げる、デスクワークやタクシードライバーなど長時間同じ姿勢で座り続ける動作などによって起こります。 痛み止めで一時期はよくなっても、再発してしまうので根本的な姿勢の改善や負担によるダメージをリセットする運動が必要です。