めまいは私たちの日常生活に突然訪れ、生活を一変させることがあります。
しかし、全てのめまいが直ちに危険とは限りません。その中でも、生命に影響を及ぼす可能性のある"危険なめまい"とは何か、その特徴と見分け方について解説します。
"危険なめまい"とは、大抵の場合、脳の異常が原因となるめまいです。
これに対して、内耳由来のめまいは不快感を伴いますが、直接的に生命を脅かすものではありません(しかし、適切な場所や状況でめまいが生じると危険です)。
"危険なめまい"と内耳由来のめまいとを見分けるポイントは、めまいの他に現れる症状です。
なお、めまいの強さや続く時間は、判断にあまり関係ありません。
以下に、危険なめまいに伴う可能性のある症状を紹介します:
- 物が二重に見える
眼鏡を使ったり乱視が原因で二重に見える場合を除いて、目を動かす神経の異常が示唆されます。 - しゃべりにくい、言葉が回らない
これは舌を動かす神経に問題がある可能性を示します。 - 手足がしびれる、麻痺が出る
特に一方の手足だけに感覚麻痺や運動麻痺が見られる場合です。ただし、両方の手足がしびれる場合は過呼吸症候群の可能性もあります。 - 強い頭痛
頭部内出血の可能性を示す症状で、特に慢性的な頭痛は脳腫瘍による脳の圧迫を示す可能性があります。 - 意識喪失
内耳由来のめまいでは決して起こらない症状です("意識が飛びそうになる"という経験はあるかもしれませんが、実際に意識を完全に失うことはありません)。
これらの症状が現れた場合、速やかに神経内科や脳神経外科の専門医に相談することが重要です。
なお、吐き気や嘔吐は内耳由来でも脳由来でも発生しますので、めまいの原因を判断する指標にはなりません。