女性ホルモンの乱れだけじゃない
更年期に現れるさまざまな不快な症状は、女性ホルモンの「エストロゲン」の低下による影響を強く受けます。
しかし、他にも脳内伝達物質のバランスの乱れや、自律神経の失調など、多くの原因によって起こっている症状もあります。
これは、卵巣へエストロゲンの分泌を促す仕組みに原因があります。
自律神経にも影響する女性ホルモン
エストロゲンの分泌は、脳の「視床下部」から下垂体を経由して卵巣へ指令を送ります。
この「視床下部」には、自律神経をコントロールする中枢があって、呼吸・循環・血圧・体温調節・内分泌・代謝のバランスをとっています。
更年期には、エストロゲンの分泌が減ることで、視床下部の機能が乱れてしまいますので、同じ視床下部に支配中枢をもつ自律神経にも乱れが生じてしまいます。
だから、更年期の症状に、のぼせ、発汗、ほてり、冷え、めまい、耳鳴り、立ちくらみ、動悸といった自律神経の失調症状が現れます。
永遠に続かない「ホメオスタシス」
ただ、こういった乱れも永遠に続くわけではありません。
人の体には変化に順応するために、恒常性を維持するためのホメオスタシスという機能が働いて、バランスを整えてくれます。
閉経後、しばらくは辛い症状が続くかもしれませんが、次第におさまっていくことがほとんどですので、不安を抱え過ぎないでくださいね。