東洋医学の病気や症状に対する基本的な考え方は、西洋医学とは大きく異なります。
以下、その主要な特徴と考え方について説明します。
陰陽五行説
東洋医学は、宇宙や人体のすべての事象を陰陽五行の理論で説明します。
陰陽はすべての事物の相対的な二極性を示し、五行(木、火、土、金、水)は事物の相互作用と変化を説明するためのものです。
全体主義
西洋医学が病気の原因を特定し、局所的に治療するのに対し、東洋医学は体全体のバランスと調和を重視します。
体の各部分は相互に関連しており、一部が乱れると全体に影響を及ぼすと考えられています。
気の流れ
「気」は生命エネルギーであり、人体を流れる経絡(チャネル)を通じて、器官や体の部位と連絡を取ります。
気の流れが滞ると、病気や症状が現れるとされています。
自然治癒力の強化
東洋医学では、体自体に備わっている自然治癒力を高め、バランスを取り戻すことが重視されます。
治療は、この自然治癒力をサポートし、促進する方向に行われます。
個人中心のアプローチ
同じ症状でも、その人の体質や生活習慣により、治療法は大きく異なることがあります。
個人の体調やバランスに合わせた治療が行われるため、個別化された治療が特徴です。
予防医学
また、東洋医学では予防が重要な要素とされており、健康な時からの食生活や生活習慣の改善、ストレス管理など、日々の健康維持が強調されます。
以上のように、東洋医学は人体を一つの連続した系として捉え、病気や症状の背後にある体全体の不均衡を見つけ出し、自然治癒力を高め、再調整するという視点から治療を行います。