1. 顔面神経麻痺の原因と症状
顔面神経麻痺は、顔面の表情筋をコントロールする神経に障害が生じ、片側または両側の表情が失われる疾患です。
主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- ベル麻痺:原因不明で突発的に起こる顔面神経麻痺。急に顔の片側が動かなくなることが特徴で、多くの患者が1か月以内に回復しますが、適切な治療が必要です。
- ラムゼイハント症候群:帯状疱疹ウイルスが顔面神経に影響を与えることで麻痺が発生。耳周辺の痛みや難聴、めまいなどが特徴で、早期の治療が回復に重要です。
- 中枢性顔面神経麻痺:脳梗塞や脳出血など、脳の障害によって生じる顔面麻痺。突然の麻痺とともに、めまいや嚥下障害などの神経症状が出ることが多く、医療機関での迅速な診断が必要です。
顔面神経麻痺の症状は非常に多様で、額のシワが寄せられない、目を閉じられない、口角が下がる、さらには聴覚過敏や味覚障害、涙分泌の低下などが見られます。
これらの症状は、日常生活に大きな影響を与えるため、早期の対応が望まれます。
2. 鍼灸治療による顔面神経麻痺へのアプローチ
杉本接骨鍼灸院では、顔面神経麻痺の治療において、鍼灸治療が大変効果的であると考えています。
顔面神経麻痺は世界保健機関(WHO)でも鍼灸の適応症とされており、早期からの鍼灸治療で回復を促進することが可能です。
■ 鍼灸治療の効果
- 血流改善:顔面神経やその周辺の血流を改善し、壊れた組織の修復をサポートします。
- 全身へのアプローチ:顔面部に加えて、手や足のツボに鍼を施すことで全身の血液循環を促進し、回復力や免疫力の向上を図ります。
■ 顔面神経麻痺に使用する主なツボ
- 翳風(えいふう):顔面神経の根幹に働きかけ、顔全体の表情筋に効果をもたらします。
- 下関(げかん):上唇や口角の動きを改善するための重要なツボです。
- 顴髎(けんりょう):顔のむくみやたるみ、美容にも効果が高いツボで、顔の引き締めにも役立ちます。
杉本接骨鍼灸院では、これらのツボを用い、顔面神経麻痺の根本的な回復を目指す治療を行います。
3. 医療機関との併用治療
急性期の顔面神経麻痺は、医療機関での薬物治療(ステロイドなど)と並行して鍼灸治療を行うことが推奨されています。
ステロイドによる炎症の抑制と鍼灸治療による血流改善を組み合わせることで、回復がより早く、効果的に進むケースが多く見られます。
■ 治療頻度の目安
- 発症から半年間:週1~2回の鍼灸治療が推奨されます。
- 6ヵ月~1年:1~2週間に1回の頻度で治療を進めていきます。
症状が改善され、正常な表情や動きを取り戻すまで継続的な治療を行い、患者様一人ひとりに最適なプランを提供します。
4. 栄養療法と漢方の併用
顔面神経麻痺の回復を促進するためには、鍼灸治療に加えて、適切な栄養療法も重要です。
杉本接骨鍼灸院では、鍼灸治療に加え、食事や漢方を取り入れた総合的なアプローチを推奨しています。
■ 栄養療法
- ビタミンB群:神経の修復に欠かせない栄養素。特にビタミンB12が含まれる食品(魚介類や卵)を摂取することが推奨されます。
- 抗酸化物質:神経のダメージを防ぐために、ビタミンCやビタミンEを含む果物やナッツ類を積極的に摂ることが大切です。
- タンパク質:筋肉や神経の再生に必要な栄養素で、肉、魚、大豆製品をバランスよく摂取することが重要です。
■ 漢方治療
顔面神経麻痺に効果的な漢方としては、体内の「気」や「血」の流れを整えるものが多く使われます。
たとえば、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」などが顔面麻痺の回復を助けるとして知られています。
5. 顔面神経麻痺の予防とセルフケア
治療と並行して、日々の生活習慣も症状の改善に大きく寄与します。以下のセルフケアを取り入れてみてください。
■ セルフマッサージ
顔の筋肉を優しくほぐすことで、血流を促進し、回復を早める効果があります。毎日5分程度、頬や顎、目の周りを軽くマッサージすることをお勧めします。
■ 睡眠とストレス管理
適切な睡眠とストレスの軽減は、体全体の回復力を高めます。リラックスできる環境を整え、十分な睡眠を確保しましょう。
【まとめ】
杉本接骨鍼灸院では、顔面神経麻痺に対して鍼灸治療とともに、医療機関の薬物療法や栄養療法、漢方を組み合わせた包括的なアプローチを行っています。
個々の患者様の症状に応じた適切な治療を提供し、早期の回復をサポートします。
顔面神経麻痺でお悩みの方は、どうぞお気軽に杉本接骨鍼灸院にご相談ください。あなたの笑顔を取り戻すお手伝いをいたします。