
「レントゲンもMRIも異常なし。でも痛い」「原因が分からず不安」――このタイプの痛みは珍しくありません。もちろん重大疾患の除外は大前提ですが、検査で説明しきれない痛みには自律神経(交感神経・副交感神経)やストレス反応が深く関わることがあります。この記事では、杉本接骨鍼灸院の視点で、整体・鍼灸がなぜ役立つのかを“科学的根拠”に基づいてわかりやすく解説します。
「検査で異常なしの痛み」とは?
ここでいう「検査で異常なしの痛み」とは、画像検査や血液検査で明確な原因が見つかりにくいのに、首・肩・背中・腰・手足などに痛みや違和感が続く状態を指します。痛みは“気のせい”ではなく、神経系(痛みの感じ方)・筋緊張・血流・睡眠などが複合的に絡んで生じます。
自律神経が乱れると、なぜ痛みが続きやすいのか
- 交感神経優位が続くと筋肉がこわばり、血流が落ち、疲労物質がたまりやすくなります。
- 睡眠の質が下がると、痛みを抑える回復ホルモン・免疫調整が働きにくくなります。
- 脳と脊髄で起こる痛みの増幅(過敏化)が進むと、軽い刺激でも痛く感じやすくなります。
- 不安・緊張が強いほど、呼吸が浅くなり胸郭や頸部の筋緊張が増えて痛みが固定化しやすいです。
つまり「構造(骨や関節)」だけでなく、「調整(神経・循環・回復)」が崩れると、痛みは長引きやすいのです。
鍼灸が“慢性痛”に有効とされる根拠
鍼治療は慢性痛に対して、複数の大規模解析で有効性が示されています。代表的には、慢性腰痛・頸部痛・変形性関節症・慢性頭痛・肩痛などを対象にした個人データを用いるメタ解析で、鍼治療が有意に痛みを改善することが報告されています。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
また、慢性腰痛については、米国内科医会(ACP)の診療ガイドラインで、初期治療として運動療法などの非薬物療法と並び鍼治療が推奨選択肢に挙げられています(薬より先に検討する枠組み)。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
鍼灸が痛みに働くと考えられる仕組み
- 鎮痛系(内因性オピオイド等)の活性化:身体の「痛みを抑える仕組み」を動かす方向に働くと考えられています。
- 筋緊張・血流への作用:硬くなった筋のこわばりを緩め、局所循環を助けます。
- 自律神経バランスへの作用:心拍変動(HRV)など自律神経指標への影響を検討した研究・レビューがあり、鍼刺激が自律神経活動の調整に関わる可能性が示されています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
重要なのは、鍼灸が「痛みの原因を一発で消す魔法」ではなく、痛みが続く土台(緊張・循環・睡眠・ストレス反応)を整え、回復しやすい状態に戻す医療的アプローチだという点です。
整体(手技)が役立つポイント
整体(手技)は、関節の動き・筋膜の滑走・呼吸・姿勢のクセなど、痛みを維持する要素を丁寧に評価して整えます。特に「検査で異常なし」タイプは、同じ部位をかばう動作や無意識の緊張(食いしばり、浅い呼吸、肩をすくめる癖)が、痛みの回路を固定化していることが多いです。
当院では、痛みのある場所だけを追いかけず、首〜胸郭〜骨盤の連動、呼吸、睡眠、日中の緊張パターンまで含めて、再発しにくい体の使い方を一緒に作っていきます。
当院での進め方(目安)
- 安全確認:しびれの進行、発熱、急激な体重減少、夜間痛、力が入らない等があれば医療機関受診を優先します。
- 評価:痛みの部位だけでなく、姿勢、呼吸、筋緊張、睡眠、ストレス負荷を確認します。
- 施術:整体+鍼灸(必要に応じて)で筋緊張と自律神経の過緊張を同時に緩めます。
- セルフケア:短時間で続く呼吸・ストレッチ・温め方・生活リズム調整を提案します。
「何をしても変わらない」と感じている痛みほど、体は“緊張が当たり前”になっています。だからこそ、小さく整えて、回復できる状態を積み上げることが近道になります。
まとめ:検査で異常なしの痛みは、回復の設計図を変えると動き出す
検査で異常が見つからない痛みは、不安になりやすい一方で、適切な方向から整えることで改善の余地が大きいケースも多いです。慢性痛に対する鍼灸の有効性は大規模解析やガイドラインでも示されており:contentReference[oaicite:3]{index=3}、自律神経の調整という観点からも研究が進んでいます。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
「検査で異常なし」=「治らない」ではありません。痛みの背景にある自律神経・筋緊張・睡眠・循環を、整体と鍼灸で一緒に整えていきましょう。
