
「夜中に足がつる」「ふくらはぎが急に痛くなる」「こむら返りを何度も繰り返す」。このような相談で病院を受診すると、漢方薬の一つである芍薬甘草湯が処方されることがあります。
漢方と聞くと、「体質改善のためにゆっくり飲むもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし芍薬甘草湯は、足のつりや筋肉のけいれんに対して比較的よく使われる漢方薬です。
では、なぜ病院で足がつると芍薬甘草湯が選ばれるのでしょうか。今回は、足がつる原因と芍薬甘草湯が使われる理由、注意点について分かりやすく解説します。
原因
足がつる状態は、筋肉が自分の意思とは関係なく急に強く縮み、うまくゆるまなくなる状態です。ふくらはぎに起こることが多く、一般的にはこむら返りと呼ばれます。
筋肉が正常に働くためには、神経からの信号、血流、水分、電解質、筋肉の柔軟性などが関係しています。汗をかいて水分や塩分が不足した時、長時間歩いた時、立ち仕事でふくらはぎに疲労がたまった時、冷えで血流が悪くなった時などに足がつりやすくなることがあります。
また、糖尿病、腎臓の病気、腰椎の神経障害、血流障害、妊娠、加齢、薬の影響などが関係することもあります。そのため、足がつる原因は一つではありません。
症状
足がつる時は、ふくらはぎ、足の裏、足の指、太ももなどに急な痛みが出ます。筋肉が硬く盛り上がったように感じ、数十秒から数分ほど痛みが続くことがあります。
夜中や明け方に起こる方も多く、睡眠の質が下がる原因になります。何度も繰り返すと、「また夜につるのではないか」と不安になり、日中の活動量が落ちてしまう方もいます。
芍薬甘草湯は、このような急な筋肉のけいれんや痛みに対して処方されることがあります。特に、こむら返りのように筋肉が急激に収縮して痛む症状に使われることが多い漢方です。
放置するとどうなる?
たまに起こる足のつりであれば、疲労や水分不足が関係していることもあります。しかし、頻繁に繰り返す場合は注意が必要です。
足のつりを放置していると、睡眠不足、日中の疲労感、歩くことへの不安につながることがあります。また、強いこむら返りの後に筋肉痛のような痛みが残る場合もあります。
さらに、足がつる背景に内科的な病気や薬の影響がある場合、表面的な対策だけでは不十分です。片側だけ頻繁につる、しびれを伴う、むくみが強い、歩行時に痛みが出る、筋力低下がある場合は、医療機関で相談することをおすすめします。
セルフケア
セルフケア1
まず大切なのは、水分と電解質の補給です。汗をたくさんかいた日は、水だけでなく塩分やミネラルも失われています。夏場や運動後、長時間の外出後は、飲み物や食事から適切に補給しましょう。
ただし、持病がある方や塩分制限を受けている方は、自己判断で塩分を増やしすぎないようにしてください。高血圧、腎臓病、心臓病などがある方は、主治医に確認することが大切です。
セルフケア2
寝る前にふくらはぎや足裏をやさしく伸ばすことも、足のつり対策として役立つ場合があります。アキレス腱をゆっくり伸ばす、足首を回す、足指を軽く動かすなど、強すぎない範囲で行いましょう。
冷房で足元が冷えやすい方は、寝る時の冷え対策も大切です。筋肉が冷えると血流が低下し、こわばりやすくなることがあります。
セルフケア3
芍薬甘草湯は、足がつる症状に対して処方されることがありますが、自己判断で長期間飲み続けるものではありません。特に甘草という生薬を含むため、むくみ、血圧上昇、低カリウム血症などに注意が必要です。
医師から処方された場合は、指示された量と期間を守ることが大切です。市販薬として購入する場合も、持病や服用中の薬がある方は、薬剤師や医師に相談してください。
当院で大切にしている考え方
杉本接骨鍼灸院では、足がつる症状に対して「薬を飲めばよい」「サプリを飲めばよい」と一つの方法だけで考えることはしません。
足のつりには、水分不足、電解質の乱れ、筋肉疲労、冷え、血流、足裏の使い方、歩き方、姿勢、腰や股関節の状態などが関係していることがあります。
特に、外反母趾、浮き指、扁平足、足裏のアーチ低下がある方は、ふくらはぎや足指に余計な負担がかかり、筋肉が疲れやすくなることがあります。
当院では、足だけを見るのではなく、歩き方や体全体のバランスも確認しながら、日常生活でできる対策をお伝えしています。必要に応じて、医療機関での確認をおすすめすることもあります。
まとめ
病院で足がつると漢方が出る理由の一つは、芍薬甘草湯が筋肉の急なけいれんや痛みに対して使われることがあるためです。
ただし、芍薬甘草湯は万能薬ではありません。足がつる原因は、水分不足、電解質の乱れ、筋肉疲労、冷え、病気、薬の影響など複数あります。
頻繁に足がつる方は、薬だけに頼るのではなく、原因を幅広く考えることが大切です。症状が続く場合や不安がある場合は、自己判断せず専門家に相談しましょう。
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