ビタミンBについて調べると種類が多くてびっくり!
ビタミン Bの種類
チアミン(B1)
リボフラビン(B2)
ナイアシン(B3)
パントテン酸(B5)
ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン)
シアノコバラミン(B12)
葉酸(B9)
ビオチン(B7)
すでに勉強する気が失せちゃいそうですが・・・
頑張って一個ずつ。
まずは、「ビタミンB1」
ビタミンB1は「チアミン」とも呼ばれる・・と
ビタミン B1は「エネルギー産生」と「神経細胞」への影響を与えています。
ビタミン の欠乏症は「脚気」と「ウェルニッケ脳症」があります。詳しくは後述してます。
ビタミン Bは水溶性なので、過剰に摂取しても尿と一緒に排出されてしまいますので、食事などが白米やインスタント食品などに偏っていると不足しがちです。
豚肉や豆類に多く含まれます。
ビタミン B1の働きとは?
よくわかんないので、図にしてみるとこんな↓感じ
1.ペントースリン酸回路に関わっている!
ペントースリン酸経路は、解糖系のグルコース-6-リン酸から出発して、そして、解糖系のグリセルアルデヒド-3-リン酸へとつながる経路です。
この回路では「リボース5リン酸」と「NADPH」が作られます。
リボース5リン酸は核酸の材料です。
NADPHは脂肪酸やステロイドの合成に必要となります。
2.ピルビン酸脱水素酵素の補酵素として働く!
糖質をエネルギー変換する「解糖系」では、最終産物として、ピルビン酸が作られます。
ピルビン酸はミトコンドリアがアセチルCoAに合成されて「クレブス回路(クエン酸回路、TCAサイクル)」で利用できるようになります。
解糖系とクエン酸回路を結ぶのが、この↓反応。
ピルビン酸をミトコンドリアに運んでアセチルCoAを作ります。
この反応で、最初に必要となるのがTPP、FAD、Mg、リポ酸。
この時「TPP」は、チアミン(ビタミン B1)にリン酸が2つ結合して、合成されます。
TPPのアセチル基がリポ酸に移って、アセチルCoAができます。
3.クエン酸回路(TCA回路)でも関わっている
全体の像をみてみると
となります。
ATP不足、乳酸、ピルビン酸の蓄積が進み、ひどい場合にはビタミン B1欠乏症の原因になってしまいます。
ビタミン B1の神経への関わり方
ビタミン B1の欠乏症には、「脚気」、「ウェルニッケ脳症」があります。
ビタミン B1の不足によって、神経障害が起こってしまいますますが、末梢に起こるものが脚気、中枢に起こるものがウェルニッケ脳症となります。
これはビタミン B1の減少に伴い、グルタミン酸のトランスポーターが減少してしまい、グルタミン酸が過剰に働くことによって、神経が障害される、もしくはグルタミン酸が過剰に働くことで活性酸素が発生することで障害されるのではないかと考えられてます。
ビタミン B1の欠乏によって、どのように障害されるのか詳しい機序はわかっていません。
「脚気」について詳しくはこちら>>>
「ウェルニッケ脳症」についてくわしくはこちら>>>
ビタミン B1が不足しがちな人とは?
最初の方でも書きましたが、精製された穀物とくに白米のみの食事を毎日送っていると、不足に陥りやすいです。
他にアルコールの分解には普段は使われないのですが、大量に摂取した場合、ビタミン B1を使うようになりますので、アルコールを多飲するひとも注意です。
他には、食事の偏りがちな妊娠中も注意が必要。
上記の「脚気」や「ウェルニッケ脳症」の原因にもなります。
ビタミン B1と脚気の雑学
江戸時代ころから、玄米よりも精製された白米が好まれるようになり、特にハイソなお姫様が脚気でなくなることが多くなったそうです。☠️
有名な話では、明治時代に、森鴎外(陸軍軍医総監)は白米食に固執したため脚気で多くの兵隊がなくなったということがあります。
一方、海軍では、洋食を取り入れることで脚気が激減しています。
ビタミンB1は小麦や大麦、豚肉などに多く含まれているためです。
ビタミン B1の必要摂取量は?
厚労省によると1日の推奨摂取量は1mg。
国民健康・栄養調査(平成27年)によると、日本人のビタミンB1の1日の平均摂取量は0.86㎎。主に肉類、穀類、野菜などから摂取されているとも報告されています。
ビタミンB1は、水溶性のビタミン なので過剰分はおしっこと一緒にでてしまうので上限量は設定されていません。
糖質をエネルギーに変換する際に働くため、食欲がない、疲れやすい、だるいなどの症状があれば、ビタミン B1が豊富に含まれる食事を心がけるようにしましょう。
脚気が増す背景として、インスタント食品の利用増加があるので注意が必要です。
また、激しいスポーツや重労働の人も、体内でビタミンB1が不足しやすくなります。
過剰症の心配はほとんどありませんが、サプリメントなど一度に大量に摂取できるものを利用した場合、1日10g程度を20日間にわたり摂取を続けると頭痛、イライラなど、かゆみなどの皮膚症状が報告されています。
サプリなどを利用する際には、目的、方法、摂取量を守ってください。