動画でもわかりやすく説明しています。
女性の生活習慣もホルモンバランスも激変
僕が子供ころ、約40年前と今とでは、女性の生活習慣は大きく変化しました。
4、50年前と比べて、女性の社会進出も進みましたが、同時に晩婚化も加速しました。
それにともない初産の分娩年齢も上がりましたし、1人の女性が出産する子供の数も減りました。
1960年代と現在では初潮を迎える時期は平均で1歳ほど早くなったという統計もあります。閉経年齢も遅れつつあるらしいです。
それだけ、女性自身が女性ホルモンの変化に対応しなくてはいけない期間が長くなってしまっています。
ホルモンのバランスと婦人科疾患の増加
子宮頸がん(上皮内がんを除く)の年齢階級別罹患率をみると、罹患時の年齢のピークが若年化していることがわかる(図表2)。
死亡率も、40代以下で高まっている(図表3)。子宮頸がんによる死亡数は、2018年に2800人程度で増加傾向にあり、そのうち40代以下が2割前後となっている。
引用:ニッセイ基礎研究所 https://www.nli-research.co.jp/
厚労省の統計によると、30代までの女性で、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮体がん、乳がんなどの疾患が増加しています。
これは上記したように、女性の社会進出が進んだことによるストレスの増加や、それに伴う女性ホルモンの乱れとの関係が示唆されています。
それらの病気が発症しなくとも、生理痛、月経不順、月経前症候群(PMS)、更年期障害に悩む女性も増加しています。
婦人科疾患の若年化
現代の50代以下の女性とその母親との女性ホルモンの変動とは、大きく違っているということが言えると思います。
「歳をとったら気をつけるべきこと」が、低年齢化しているという意識が必要です。
20代のうちから、女性ホルモンの変動を理解して、いかに付き合うかが、健康維持のためには必須です。
ホルモン分泌と女性の生活サイクル
女性の心身の変化は、ホルモン分泌によって、思春期、成熟期、更年期、老年期に分けることができます。
思春期
初潮後、数年間はホルモン分泌が不安定になりやすい時期があります。
月経は不順になりがちで、心身も不安定な時期。
卵巣からエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が始まります。
成熟期
エストロゲンの分泌が安定し、妊娠、分娩などが可能となる時期。
子宮内膜症、子宮筋腫といったホルモンの分泌が原因となる婦人科疾患にかかりやすい時期でもあります。
更年期
女性ホルモンであるエストロゲンが減少し始めます。
月経が乱れ、閉経に向かっていく時期。
ホルモン分泌の乱れによって、心身に症状が現れる(更年期障害)。
老年期
エストロゲンの分泌がなくなる。
女性ホルモンは心身の健康の維持を担っているために、ホルモンの分泌が減少するにつれ、心身に不調を訴えやすくなる時期。
さらに、加齢に伴っての衰えも加速する。
まとめ
女性の心と肉体は、一生を通じてホルモンの影響を強く受けます。
女性ホルモンである「エストロゲン」は女性の心身の健康を維持する支えになりますが、分泌が乱れれば症状として現れてしまいます。
ホルモンの分泌の衰退を防止は不可能ですが、強い、ひどい症状を出さないための生活習慣は可能です。
そのためには、食事、運動、睡眠、生きがいへの意識を持つことが肝要です。