女性の心身は2つのホルモンのバランスで保たれている
女性の心身の状態は、卵巣から分泌される二種類の女性ホルモン、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)によって支配されています。
この2つのホルモンのうち、エストロゲンの分泌が減少しだすと更年期の症状が現れ始めます。
エストロゲンは20~30歳代にピークをむかえ、その後は減り続けます。
いわゆる更年期といわれる40代後半〜50歳では、ピーク時の5分の1程度の分泌量になってしまいます。
更年期には、エストロゲンの分泌が激しく低下してしまうので、心身の不調を訴える女性が多くなります。
エストロゲンの分泌を左右する下垂体
卵巣のホルモン分泌は、脳の中にある下垂体という場所からの指令で決まります。
このとき下垂体から性腺刺激ホルモンというホルモンが分泌して指令を伝えます。
卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)と呼ばれ、2種類あり、あわせて性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)といいます。
何らかの原因で、卵巣から分泌される女性ホルモンの分泌が減少すると、下垂体から卵巣へホルモンを分泌するように指令を出します。
下垂体は視床下部から命令をうける
卵巣へ指令を送る下垂体は、脳の視床下部という場所からの指令を受けます。
視床下部から下垂体への指令は、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn-RH)によって伝えられます。
まとめると、視床下部→下垂体→卵巣という仕組みがあって、卵巣の働きをコントロールしています。
更年期で起こっていること
卵巣から分泌されるエストロゲンが低下
視床下部
↓ 性腺刺激ホルモン放出ホルモン 分泌
下垂体
↓ 性腺刺激ホルモン 分泌
卵巣
という仕組みが機能します
下垂体と卵巣のホルモンのアンバランス
下垂体からいくらホルモン分泌を受けても、卵巣は機能が低下しているのでエストロゲンは増えません。
さらに、視床下部や下垂体は、卵巣にがんばれ!という指令を送り続けます。
更年期には、エストロゲンと、視床下部や下垂体から分泌されるホルモンのバランスが崩れて、心身が乱れてしまっている状態のことをいいます。