東洋医学、特に中国の伝統医学である中医学では、身体と心の健康は五行理論と陰陽理論という2つの主要な概念に基づいて理解されます。
これらの理論は、自然の循環や相互作用の規則を用いて、身体のバランスや健康状態を説明します。不妊に関してもこの視点から考えられます。
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陰陽理論
陰陽理論は、全ての事物や現象が互いに相反する二つの側面、すなわち陰と陽に分けられるという原理です。
健康な状態とは、これら陰陽が適切なバランスを保っている状態を指します。不妊は、このバランスが崩れた結果と見なされることが多いです。
たとえば、陰(冷えや萎縮を表す)が過剰だと、血液の流れが悪くなり、子宮が冷えて卵巣機能が低下すると考えられます。
一方、陽(熱や膨張を表す)が過剰だと、炎症やストレスが起こりやすく、排卵障害や子宮内膜の問題を引き起こす可能性があります。
五行理論
五行理論は、木、火、土、金、水の五つの元素(または相)が、生命の循環や自然現象を説明するという原理です。これら五行は、相生と相克の法則に基づいて互いに影響を与えます。健康状態は、これら五行が適切なバランスと相互作用を保っている状態を指します。
五行理論に基づくと、不妊は、五行のバランスが崩れた結果と考えられます。
たとえば、肝臓(木)が不調だと、ホルモンバランスに影響を与えるとされ、これが排卵や着床に影響を及ぼす可能性があります。
以上のように、東洋医学では、不妊は身体全体のバランスが崩れることで起こると考えられ、治療は身体全体のバランスを回復させることを目指します。
鍼灸や漢方薬などの治療法が用いられ、生活習慣の改善やストレス管理も重視されます。