あなたは「低気圧女子」ですか?
気圧の変動で体調を崩しやすい方へ、この本を紹介します。
1. 本の概要
著者と監修者の経歴
著者は気象予報士の小越久美さん。彼女自身が低気圧女子として、この問題を熟知しています。
そして、監修として自律神経に詳しい小林弘幸先生が参加。
この本の特徴
通常の自律神経関連の本とは一味違い、気象予報士らしい天気図の説明があります。
天気図が苦手な方も、キーワードでの注意点が紹介されているので安心してください。
2. 季節別・天気別の体調の変動とその対策
以下に、季節や天気ごとの具体的な体調の変動とその対策を紹介します。
<春>
・春一番
「明日は春一番が吹くでしょう」という声が聞かれると ⇒春一番が吹くと気温が急上昇し、体内に熱がこもりやすくなります。
眠気やだるさを感じる方も増えます。
その後、気温が急低下し、生理痛や腰痛、肩こり、古傷の痛みなど“痛い系”の不調が出やすくなります。
⇒脱ぎ着しやすい服装で対策し、保湿ケアも怠らないようにしましょう。
・爆弾低気圧
「急速に発達する低気圧」と天気予報で言われる時
⇒気圧が急速に変わり、低気圧が通り過ぎた後には気温が大きく下がります。
⇒“痛い系”の不調や、冷えによる血行不良に十分注意しましょう。
・菜種梅雨
菜の花や桜が咲くころ、梅雨のような天気が続く時期です。
⇒花粉症や“痛い系”、さらに精神的な不安定さにも注意が必要です。
⇒外出時はストールやカーディガンなど羽織るものを持参し、足元も冷やさないよう工夫しましょう。
<梅雨>
・梅雨入りの発表時
⇒梅雨の晴れ間と雨の間の寒暖差や、日照不足による気分の落ち込みに注意しましょう。
・梅雨前線
他の気象よりも長く続く場合があるので注意が必要です。
⇒連続する雨の日にやる気が出なくなるのは理解できます。
しかし、家にずっといると気分がさらに沈むことも。
この時期は、しっかりと運動して汗をかき、夏の暑さに備える体作りを心掛けましょう。
<夏>
・梅雨明け:
3つのパターンが考えられます。
1)前線北上パターン・・・安定した夏空になりますが、猛烈な暑さが続きます。
⇒低気圧女子の方は体調が安定することが多いですが、寝苦しい夜も増えるので注意が必要です。
2)前線消滅パターン・・・湿気が多く、雷雨が発生しやすい夏空になります。
⇒梅雨の不調が続いたり、雷雨の影響で自律神経が乱れやすくなります。
3)梅雨明けなしパターン・・・冷夏や集中豪雨など、天気が不安定になります。
⇒日照が少なかったり、雨が続くと、低気圧女子の方は長い間不調を感じることがあります。
・ゲリラ豪雨:
天気予報で晴れとされているのに突然の雷雨注意報が出ることがあります。
⇒その日の大気が不安定であることを示す3つのサイン、「急に空が暗くなる」「雷鳴」「冷たい空気」に注意しましょう。
<秋>
・台風:
気圧の変動が大きく、頭痛や肩こりなどの痛みが増えることがあります。
・秋雨前線:
梅雨時と似たような症状が出ることが多く、季節性感情障害も見られることがあります。
⇒その症状が冬に向かって引き続くことも。起床後、身体を動かして交感神経を活発にするのがおすすめです。
・放射冷却:
日中と夜の寒暖差が大きくなります。
⇒喘息の発作は、秋の晴れた日に注意が必要です。
また、帰宅が遅くなる予定の日は、カーディガンやストールを持って出かけると良いでしょう。
<冬>
・二つ玉低気圧:
日本全国で悪天候となりやすい状況です。南北の温度差が大きく、低気圧が発達しやすくなります。
⇒気圧の低下や冷たい雨風により、痛みが増えることが考えられます。
その1~2日後には、寝不足などの影響も考えられるので、規則正しい生活を心掛けましょう。
・冬将軍:
西高東低の気圧配置が特徴です。
⇒この時期になると、風邪やインフルエンザが流行し始めます。
寒さにより血流が悪くなりがちなので、意識してストレッチなどを取り入れることが大切です。
・南岸低気圧:
本州の南を通過する低気圧です。
⇒朝はそこまで冷え込みませんが、雨が始まると気温が下がり、雪に変わることも。
大都市でも雪が降ることがあります。 ⇒油断して出かけると、交通が混乱し、体が冷えてしまう可能性が高まります。
脱☆低気圧女子 セルフチェック
・気象病の予防にはセルフチェックが大変効果的です。
・大切なのは、気象条件で交感神経が活発になっても、メーターの針が振り切れる前に副交感神経がしっかりとバランスを保ってくれること。
これにより体調不良は軽減されます。
・巻末に、セルフチェック用の表が用意されています。
<腸活>
・自律神経の総合力を高めるためには、腸の健康が鍵となります。
・自律神経のバランスが崩れると、むくみ腸の状態になることがよくあります。
・腸の健康を保つためには、食物繊維と乳酸菌が大切です。
<天気で行動を変える>
・くもりや雨の日は、副交感神経が強く作用し、やる気がわきにくくなります。
⇒そんな時は意識して早起きし、雨の日こそアクティブに動きましょう。
・晴れの日は、交感神経が活発になります。
⇒このような日は、ゆっくりと行動するのがおすすめです。
4. まとめ
「低気圧女子の処方せん」は、低気圧や天気の変動による体調変動を予防・軽減するためのガイドブックです。
気象のプロと自律神経の専門家が共同で、季節や天気に応じた具体的な対策を紹介しています。
日常生活での小さな工夫や気をつけるポイントで、心地よく過ごす手助けをしてくれる1冊です。