睡眠の質が低下すると、女性ホルモンの分泌が乱れる可能性が高まります。
また、このホルモンのバランスの不調は不眠の要因ともなり得るのです。
さて、女性ホルモンが体内でどこから放出されるのか、ご存知でしょうか?
それは、「卵巣」です。
エストロゲンとプロゲステロン
我々の体内には100種類以上のホルモンが存在しており、その中で卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンは、特に「女性ホルモン」として知られています。
理想としては、卵巣が活発に動いてくれると、女性ホルモンの分泌も盛んになるのですが…実は、この卵巣を制御しているのは脳の視床下部や下垂体です。
これらの部位は常にホルモンの分泌状況を監視しており、不足や過剰になった際には調整命令を出しています。
つまり、女性ホルモンのバランスを保つためには、脳と卵巣の協調が欠かせないのです。
視床下部と「自律神経系」
また、視床下部は「自律神経系」や「免疫系」も統御しています。
慢性的なストレス、睡眠の不足、極端な食事制限などがこれらの機能に悪影響を及ぼし、結果として女性ホルモンの分泌も乱れやすくなります。
その結果、脳や自律神経の働きが下がり、さらなるホルモンの不調を引き起こす悪循環が生まれる可能性があるのです。
質の良い睡眠、適切な体温維持、適度な運動、栄養の摂取など、日々の生活習慣を見直すことで、女性ホルモンの健全な分泌をサポートすることができます。
睡眠と女性ホルモン、その密接な関係 女性ホルモンと睡眠の関係は深いものがあります。
生理が終わった後の2週間は、エストロゲンの分泌が盛んになることから、この期間は心地よい睡眠が得やすいのです。しかし、その後の排卵期には、プロゲステロンの影響で昼間の眠気が増す傾向があります。
加えて、生理前のPMS期には、寝つきの悪さや浅い睡眠を感じる方もいるのです。
女性ホルモンの分泌の流れ:
脳の視床下部 → 性腺刺激ホルモンの指令 → 脳下垂体 → 性腺刺激ホルモン → 卵巣 → 女性ホルモンの分泌
自律神経について: 自律神経は、私たちの意識とは無関係に体の各機能を調整する役割を持っています。
これには、汗の分泌や心拍数の調整、血管の収縮や拡張、胃腸の動き、ホルモンのバランスなどが含まれます。活発な「交感神経」と休息時の「副交感神経」のバランスが、私たちの健康を支えています。