洗剤や柔軟剤の「香り」と社会的影響
私は通常のシャンプーやリンス、ボディーソープの使用を止めて随分経ちます。
出張や旅行時、ホテルでの滞在中も、EM石けんだけを使用し、頭や顔を過度に洗わないように気をつけています。その結果、人工的な芳香剤の香りが苦手になってきました。
公共のトイレの芳香剤はとても強く感じ、ハンドソープの残る香りも、どれだけよく洗っても気になるのです。
目を向ければ、多種多様な洗剤や柔軟剤、シャンプーやリンスの広告が目に入ります。
これらの「持続する香り」や「変化する香り」のアピールは、実際には化学物質による影響の広がりとも言えます。
化学物質過敏症の方々からは、増え続ける「香り」による日常生活の制約を感じるという声が上がっています。
2013年に、国民生活センターで柔軟剤の香りに関する相談が増えていると報じられました。「柔軟剤の使用後、せきが止まらない」「隣の部屋の洗濯物の香りで頭痛がする」といった内容です。
同センターは、商品の表示をしっかりと確認すること、そして他人が感じる不快さを理解することを呼びかけています。香りの良し悪しの判断は、状況や程度によって異なるため、現代の「香り」は社会問題となっています。
皮膚を通じての化学物質の吸収
「香り」のあるものにはすぐ気付きますが、気づかずに「香りのない」化学物質を皮膚から吸収している可能性があります。
「経皮毒」とは、「日常の製品を使用することで、皮膚を通して有害な化学物質が吸収される現象(ウィキペディア参照)」を指します。
その問題点としては、吸収された化学物質が血液に乗って体中に行き渡ることです。シャンプーやリンスを使用する際、皮膚は温かく、経皮吸収の効率が上がります。
体内に取り込まれた化学物質がどの程度排出されるのかは明らかでありませんが、某産婦人科医から、羊水に芳香剤の香りがするという報告も受けています。
これらの情報は、化学物質が体内に留まる可能性を示唆しており、皮膚を通じた吸収のリスクについて意識することが大切です。
皮膚の部位ごとの経皮吸収率
経皮吸収の効率は、皮膚の部位によって異なります。
例えば、腕の吸収率を基準とした場合、足の裏は0.14、手の平は0.83、背中は1.7、頭部は3.5、脇の下は3.7、おでこは6.0、頬は13.0、男性の陰嚢は42.0、女性の陰部は50.0となっています。
化粧品や毛染め、パーマ液などは皮膚に染み込むことが目的です。
特に、頭皮は腕の3.5倍の経皮吸収率を持ちます。
多くの美容師さんが、化学物質に関わりながらもその仕事を続けています。経皮吸収の可能性は、私たちの日常の中で多岐にわたります。
特に直接肌に触れる下着などの選び方には注意が必要です。
下着からの経皮毒
素肌への優しさを考え、下着選びや洗剤選びにはオーガニックコットンやヘンプ(麻)のような自然素材や安全で天然の洗剤を選ぶことで、身体と環境の両方を気遣いましょう。
経皮吸収について、全く問題ないと考える専門家もいますが、経皮薬剤の存在を考えれば、経皮吸収は無視できない現象です。
おむつ
さて、日常的に、赤ちゃんの柔らかなお肌に化学物質が含まれたオムツを使用することの健康的な側面を思い浮かべてみてください。
経皮吸収を気にするママたちの中には、布オムツを再導入する動きも見られます。
ケミカルを避けるだけでなく、布オムツは交換の機会も増え、それは赤ちゃんとの接触の時間も増やします。
生理用ナプキン
また、女性の中には、高い経皮吸収能力を持つ部位に化学物質が浸透した生理用品の使用に疑問を持つ方もいるでしょう。
布ナプキンを使った結果、多くの女性から経血の減少や生理痛の軽減などのフィードバックを受けています。
しかし、恐れることなく、経皮吸収が一部発生する可能性を理解し、それを考慮して日常生活の中での選択を行うことが大切です。
私たちは便利な生活に慣れてしまっているため、一変するのは難しいかもしれませんが、少しずつ、自分の生活を見直してみることをおすすめします。