
パニック発作の背景と鍼灸が自律神経に働く根拠
公開日:2025年○月○日 執筆:杉本接骨鍼灸院
なぜ突然「ドキドキ・息苦しい」が起こるのか
特に心臓や肺に異常がないのに、急に動悸・息苦しさ・めまい・死ぬかもしれない不安に襲われる――。これがいわゆる「パニック発作」です。 病院で検査をしても「異常なし」と言われることが多く、周りからも理解されにくいため、ひとりで不安を抱え込んでしまう方が少なくありません。
パニック発作の背景には、脳と自律神経が「誤作動」して、からだを常に緊張モード(交感神経優位)にしてしまうことが大きく関わっていると考えられています。 そのため、心と同時に自律神経のバランスを整えるケアがとても重要になってきます。
パニック発作と自律神経の関係
自律神経は、心拍・血圧・呼吸・発汗・消化などを24時間コントロールするシステムです。緊張モードの交感神経と、リラックスモードの副交感神経が シーソーのようにバランスを取っています。
パニック発作が出やすい人は、このシーソーが「緊張側に固定されている」状態になりやすく、ちょっとした刺激でも 動悸・息切れ・手足の震え・冷や汗など「闘うか逃げるか反応(fight or flight)」が暴走しやすいといわれています。
つまり、「心が弱いから」でも「気の持ちよう」でもなく、神経のシステムとして過敏になっている状態です。ここに対して、からだ側からアプローチできるのが鍼灸・整体です。
鍼灸が自律神経に働きかける科学的メカニズム
鍼灸は「ツボに鍼を刺すと楽になる」だけではなく、近年ではさまざまな研究から、 自律神経・ホルモン・脳内物質に影響を与えることが分かってきています。
- 鍼刺激により、心拍変動(HRV)が改善し、副交感神経の働きが高まることが報告されています。
- ストレスホルモン(コルチゾール)を下げ、リラックス時に働く神経活動が高まることが示されています。
- 脳の扁桃体や前頭前野など「不安・恐怖」に関わる領域の活動を調整する可能性も指摘されています。
これらは「なんとなく気分が良くなる」のではなく、自律神経のバランスを整える生理学的な変化が起こっているということを意味します。 パニック発作のように、交感神経が暴走しやすいタイプには、副交感神経を高める鍼灸はとても理にかなったアプローチと言えます。
パニック発作への具体的な鍼灸・整体アプローチ
杉本接骨鍼灸院では、パニック発作そのものだけでなく、 「発作を起こしやすいからだの状態」を整えていくことを重視しています。
1. 首・肩まわりの筋緊張をゆるめる整体
首や肩の筋肉がガチガチに固まると、首の交感神経節や血流が圧迫され、脳への血流も不安定になりやすくなります。 これが動悸・息苦しさ・めまいの誘因になることも少なくありません。
やさしい整体で首〜肩・背中の筋緊張をゆるめることで、交感神経の過緊張を和らげ、深い呼吸がしやすい状態を作っていきます。
2. 自律神経を整えるツボへの鍼灸
パニック発作が出やすい方には、次のようなポイントを中心に施術を行います。
- みぞおち周りのツボ(心窩部の緊張を緩める)
- 手首まわりのツボ(動悸・不安感に関わるツボ)
- 頭や耳周囲のツボ(自律神経・ホルモンバランスに関与)
- 足先のツボ(地に足がつくような安心感を高める)
鍼は髪の毛ほどの細さで、刺激は最小限に抑えながら、からだ全体をリラックス状態に導くことを目的とします。 施術中に「途中で寝てしまった」「終わった後は胸がスッと軽くなった」というお声をいただくことも多いです。
