「甘いものをやめたいのに、夕方になると必ず食べてしまいます」
「私、甘いもの中毒かもしれません」
カウンセリングで、このようなご相談を受けることがあります。
朝や昼は我慢できていても、仕事が終わる頃になるとチョコレートやケーキが欲しくなる。食後なのに何か甘いものを探してしまう。食べた後に後悔するのに、翌日も同じことを繰り返してしまう。
こうした状態が続くと、「自分の意志が弱いから」と考えてしまう方が多いです。
しかし、甘いものが欲しくなる理由は、意志の強さだけでは説明できません。食事の量や内容、空腹の時間、睡眠不足、ストレス、習慣などが重なっていることがあります。
甘いものを完全な悪者にするのではなく、なぜ欲しくなっているのかを確認することが大切です。
甘いものがやめられない原因
甘いものを食べると、脳は「おいしい」「満足した」と感じます。特に疲れているときや空腹が強いときは、すぐに食べられてエネルギーを補える甘いものを選びやすくなります。
ここで勘違いしやすいのが、「甘いものが欲しくなるなら、すべて砂糖中毒だ」という考え方です。
一般的にいう薬物やアルコールの依存症と、甘いものを好んで繰り返し食べる状態を、まったく同じものとして扱うことはできません。
一方で、甘いものを食べる行動が習慣になり、「疲れたらチョコレート」「食後は必ずデザート」という流れが繰り返されると、空腹でなくても食べたくなることはあります。
また、朝食を抜いている、昼食がパンや麺だけ、食事量が極端に少ないといった場合は、夕方に強い空腹が起こりやすくなります。
そこで菓子パンや清涼飲料水を取ると、一時的には満足します。しかし、それだけではたんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを十分に補えないため、また何かを食べたくなる場合があります。
つまり、甘いものがやめられない背景には、食事不足、栄養の偏り、睡眠不足、ストレス、行動の習慣化が隠れていることがあります。
甘いものを欲しやすい方に見られる症状
次のような状態が重なっていないか確認してみてください。
- 朝食を食べない日が多い
- 昼食をパンや麺だけで済ませる
- 夕方になると集中力が落ちる
- 仕事が終わると強い空腹を感じる
- 食後に必ずデザートを食べる
- ストレスを感じるとお菓子を探す
- 睡眠時間が短い
- 朝起きても疲れが残っている
- 甘い飲み物を水分補給として飲んでいる
- お菓子を食べた後に強く後悔する
特に、強い喉の渇き、尿の回数が増える、急な体重減少、極端な疲労感などがある場合は、血糖値に関する病気が隠れていることもあります。こうした変化が続く場合は、医療機関で血液検査を受けてください。
また、食べることを自分で止められず、一度に大量に食べる、食後に吐く、食事を極端に制限するといった状態がある場合は、単なる間食の問題ではありません。早めに医療機関や専門家へ相談することが大切です。
甘いものを取り続けるとどうなる?
甘いものを一度食べただけで、すぐに健康を損なうわけではありません。誕生日にケーキを食べる、外出先でデザートを楽しむといったことまで否定する必要はありません。
問題は、砂糖を多く含む飲み物やお菓子を毎日何度も取り、それが食事の代わりになっている場合です。
砂糖を含む食品の摂取量や回数が多い状態は、体重増加やむし歯などと関係します。世界保健機関では、食品や飲料へ加えられる砂糖などの遊離糖を、総摂取エネルギーの10%未満、さらに可能であれば5%未満に抑えることを推奨しています。
詳しくは、厚生労働省の甘味(砂糖)の適正摂取方法でも紹介されています。
ただし、割合だけを気にして食事全体が不足してしまっては意味がありません。まずは、お菓子だけを減らすのではなく、普段の食事が足りているかを確認してください。
甘いものを減らすためのセルフケア
セルフケア1 朝食と昼食にたんぱく質を入れる
夕方に強い空腹が出る方は、朝食や昼食の内容を見直してください。
卵、魚、肉、豆腐、納豆、ヨーグルトなど、たんぱく質を含む食品を食事に加えます。さらに、野菜、海藻、きのこ類なども組み合わせると、食事としての満足感を得やすくなります。
朝からたくさん食べられない方は、味噌汁と卵、ヨーグルトと果物など、少量から始めても構いません。
「お菓子を我慢する」より先に、「食事で必要なものを取る」ことを意識してください。
セルフケア2 食べる量を最初に決める
大袋のお菓子を机に置いたまま食べると、どれくらい食べたのか分かりにくくなります。
食べるときは、小さな皿へ一回分を出してください。残りは袋を閉じ、見えない場所へ片づけます。
甘いものを完全に禁止すると、反動で食べすぎる方もいます。最初から「二度と食べない」と決めるのではなく、食べる時間と量を決める方法が続けやすいです。
また、甘い飲み物は満腹感を得にくいまま糖分を取りやすいため、日常の水分補給は水や無糖のお茶を基本にしてください。
セルフケア3 疲労と睡眠を見直す
睡眠不足の日ほど、甘いものや脂っこいものが欲しくなる方がいます。夜遅くまで起きていると、食べる機会そのものも増えます。
就寝直前までスマートフォンを見ている方は、まず寝る30分前から画面を見る時間を減らしてください。起きる時間を一定にし、朝に光を浴びることも生活リズムを整える助けになります。
また、「仕事が終わったら甘いもの」という流れが習慣になっている場合は、別の行動に置き換えてみてください。
温かい無糖のお茶を飲む、5分だけ歩く、入浴する、肩を回して呼吸を整えるなど、気持ちを切り替える方法を複数用意しておくと取り組みやすくなります。
当院で大切にしている考え方
杉本接骨鍼灸院では、「甘いものを食べるから意志が弱い」とは考えません。
甘いものを食べる時間、その前に何を食べていたか、睡眠は取れているか、仕事や家庭で強いストレスがないかを確認します。
実際には、朝食を抜き、昼食も少なく、夕方には身体のエネルギーが足りなくなっている方がいます。その状態でお菓子だけを我慢するのは簡単ではありません。
また、首や肩が強く緊張し、呼吸が浅く、夜になっても身体が休めていない方もいます。疲労や緊張が続くと、食べることで一時的に気分を切り替えようとすることがあります。
当院では、鍼や整体で身体の緊張や呼吸の状態を確認すると同時に、睡眠、食事、運動なども一緒に整理します。
ただし、鍼や整体を受ければ甘いものが欲しくなくなる、と断定できるものではありません。甘いものへの欲求だけを抑えるのではなく、その背景にある疲労や生活リズムを見直すことが大切です。
体重の増加や強い倦怠感、喉の渇きなどがある場合は、医療機関で血糖値や身体の状態を確認することも必要です。
まとめ
甘いものがやめられないからといって、すぐに「砂糖中毒」と決めつける必要はありません。
食事量が少ない、たんぱく質や食物繊維が不足している、睡眠が足りない、ストレスが強い、甘いものを食べる行動が習慣になっているなど、いくつもの理由が考えられます。
まずは、甘いものだけを無理に禁止せず、朝食と昼食が足りているか、夕方まで空腹を我慢していないか、眠れているかを確認してください。
お菓子は量と時間を決め、飲み物は無糖のものを基本にします。そして、甘いもの以外にも気持ちを切り替えられる方法を用意しておきましょう。
ご自身では原因を整理しにくい場合は、公式LINEからお気軽にご相談ください。身体の状態や生活リズムを確認しながら、一緒に見直していきます。
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