「日本は医療機器が充実している」という話を聞いたことはありませんか。
実はCTやMRIなどの画像診断機器について、日本は世界でも非常に特徴的な国です。
OECDの「Health at a Glance 2025」によると、CT・MRI・PETを合わせた画像診断機器は、日本では人口100万人当たり184台。OECD平均は51台です。
単純に比較すると、日本にはOECD平均の約3.6倍もの画像診断機器があることになります。
特にCTとMRIについては、日本は人口当たりの保有台数がOECD諸国の中で最も多いと報告されています。
では、なぜ日本にはこれほど多くのCTやMRIがあるのでしょうか。そして、機械が多いことは私たち患者にとって、単純に「良いこと」と考えてよいのでしょうか。
今回は八尾市の杉本接骨鍼灸院が、画像検査について知っておきたいポイントを分かりやすく解説します。
日本にはCT・MRIがどれくらいある?
CTはX線を利用して身体の断面を撮影する検査です。骨だけではなく、肺や腹部、頭部など身体の内部を詳しく調べるために幅広く利用されています。
一方、MRIは強い磁場などを利用して身体の内部を画像化する検査です。
MRIではCTのような電離放射線による被ばくはありません。また、脳や脊髄、椎間板、靱帯など、さまざまな組織を詳しく評価する際に利用されています。
OECDの2025年の報告では、日本はCTとMRIの人口当たり保有台数が加盟国の中でも突出しています。
さらにCT・MRI・PETを合計すると、日本は人口100万人当たり184台、OECD平均は51台です。
「日本はCT・MRI大国」といっても、大げさではない数字です。
なぜ日本には画像診断機器が多い?
現在の数字だけを見て「日本人が他国より病気だからCTやMRIが多い」と考えるのは適切ではありません。
日本では長い期間をかけて画像診断機器の普及が進んできました。
実際、OECDの過去の資料でも、日本は以前から人口当たりのCT・MRI保有台数が非常に多い国として報告されています。
また、日本では大病院だけではなく、地域の病院や診療所などにも画像診断機器が設置されています。
その結果、必要なときに画像検査へアクセスしやすい環境が形成されてきたと考えられます。
ただし、OECD自身も「人口何人当たり何台あれば理想的」という国際的な基準は存在しないとしています。
つまり、台数が多ければ多いほど医療の質が高い、と単純には判断できません。
CTやMRIが多いことのメリットは?
画像診断機器が身近にある大きなメリットは、必要な患者さんが検査を受けやすいことです。
例えば、頭部の病気、骨折、肺の病気、内臓疾患などでは、画像検査が診断に重要な役割を果たすことがあります。
腰痛やしびれなどでも、症状によってはMRIなどで脊椎や椎間板などを確認することがあります。
画像検査によって身体の内部を確認できることは、現代医療において非常に大きなメリットです。
必要な検査を比較的受けやすいことは、日本の医療環境の特徴の一つと考えることができます。
画像検査が多ければ多いほど安心?
ここは非常に重要なポイントです。
CTやMRIは非常に有用な検査ですが、「念のため何でも撮影すれば安心」というものでもありません。
OECDも、画像診断機器が少なすぎれば待ち時間や地域的なアクセスの問題につながる一方、多すぎる場合には高額な画像検査の過剰利用につながる可能性を指摘しています。
また、CTではX線を使用するため放射線被ばくがあります。一方、MRIではCTのような電離放射線による被ばくはありません。
だからといって「CTは危険」「MRIなら何回撮ってもよい」と単純に考えるものでもありません。
大切なのは、症状や病歴などから検査の必要性を判断し、医師が必要と考えた画像検査を適切に利用することです。
画像検査について知っておきたいセルフケア
セルフケア1 画像だけで痛みを決めつけない
腰や膝などの画像検査を受けると、「変形があります」「椎間板が狭くなっています」などと説明されることがあります。
もちろん、画像所見は身体の状態を把握するための重要な情報です。
しかし、画像上の変化と本人が感じる痛みの程度が必ずしも一致するとは限りません。
画像だけを見るのではなく、症状、身体の動き、筋力、日常生活なども合わせて考えることが大切です。
セルフケア2 検査結果を自分でも確認する
CTやMRIを受けたときには、「異常がある・ない」だけで終わらせず、何を調べるための検査だったのか、どのような所見があったのかを医師に確認してみましょう。
分からない医学用語があれば、質問することも大切です。
画像検査は身体の状態を理解するための情報の一つです。結果の意味を理解することで、その後の治療や生活について考えやすくなります。
セルフケア3 必要な検査はきちんと受ける
「日本はCTが多すぎるらしいから、検査は受けないほうがいい」という考え方も適切ではありません。
画像検査によって重大な病気やけがを発見できる場合があります。
特に突然の激しい頭痛、麻痺、重大な外傷など、症状によっては速やかな画像検査が必要になることがあります。
検査を怖がって避けるのではなく、必要性について医師と相談することが重要です。
当院で大切にしている考え方
杉本接骨鍼灸院では、腰痛、膝痛、肩の痛み、しびれなどで来院された方が、病院で撮影したレントゲン、CT、MRIなどの検査結果についてお話しされることがあります。
その際に大切にしているのが、「画像を無視しない。しかし画像だけですべてを決めない」という考え方です。
例えば膝の変形が確認されている場合でも、実際にどの動作で痛むのか、股関節や足首は動いているか、筋力はどうか、歩き方や足元はどうかなど、身体を実際に確認することで得られる情報があります。
腰痛についても同様です。
画像検査は身体の内部を確認する非常に重要な手段ですが、日常生活での動作や身体の使い方まで画像だけで判断できるわけではありません。
一方で、強い痛み、進行するしびれや筋力低下、発熱を伴う痛み、重大な外傷などがある場合には、接骨院や鍼灸院での施術より医療機関での検査を優先すべきケースがあります。
当院でも必要と考えられる場合には、医療機関への受診をおすすめしています。
まとめ
日本は世界でもCT・MRIなどの画像診断機器が非常に多い国です。
OECDの2025年データでは、CT・MRI・PETを合わせた台数は人口100万人当たり日本184台に対してOECD平均51台で、約3.6倍となっています。
この環境は、必要な画像検査へアクセスしやすいという大きなメリットがあります。
しかし、「機械が多い=検査をたくさん受けるほど健康になる」という意味ではありません。
必要なときには画像検査を受け、その結果を症状や診察など他の情報と組み合わせて考えることが重要です。
画像診断は非常に優れた医療技術です。だからこそ、「撮るか撮らないか」という極端な考え方ではなく、必要な場面で適切に利用することが大切です。
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