鍼灸院で「ちょっと舌を見せてください」と言われて、不思議に思ったことはありませんか。
「肩がこっているのに、なぜ舌を見るの?」「舌を見て何が分かるの?」と思われるかもしれません。
東洋医学では、身体の状態を考えるための情報の一つとして「舌診(ぜっしん)」が古くから用いられてきました。
舌の色、形、厚さ、表面を覆う舌苔などを観察し、問診や脈診、腹診などの情報と組み合わせて、その人の身体をどのように捉えるかを考えていきます。
今回は八尾市の杉本接骨鍼灸院が、なぜ東洋医学では舌を見るのか、当院では実際にどのように舌診を施術方針の参考にしているのかを分かりやすく解説します。
なぜ東洋医学では舌を見るの?
東洋医学では、身体の一部分だけを見るのではなく、全身に現れているさまざまな情報を組み合わせて身体の状態を考えます。
その情報の一つが舌です。
舌は口を開ければ直接観察でき、色や形、表面の状態などを確認できます。そのため、東洋医学では古くから身体の状態を考えるための重要な観察対象とされてきました。
舌診で見るのは、単純に「赤いか白いか」だけではありません。
舌そのものの色、形、大きさ、腫れぼったさ、歯型の有無、乾燥状態、舌苔の色や厚さなどを総合的に確認します。
ただし、舌だけを見て病気を診断するわけではありません。あくまで東洋医学的に身体を捉えるための情報の一つとして利用します。
舌診ではどんな状態を確認する?
まず確認するものの一つが「舌質」と呼ばれる舌そのものの状態です。
例えば、舌の色や大きさ、形などを観察します。また、舌の縁に歯の跡がついていないか、亀裂がないかなども確認します。
もう一つ重要なのが「舌苔(ぜったい)」です。
舌の表面についている苔のように見える部分で、色、厚さ、湿り気などを観察します。
東洋医学では、こうした特徴を「気」「血」「津液」「寒熱」などの伝統的な考え方と照らし合わせながら身体の状態を考えていきます。
ただし、食べ物や飲み物、喫煙、口腔環境、服用している薬などによって舌の見え方が変わることもあります。そのため、一つの特徴だけで身体の状態を決めつけることはありません。
舌の変化を放置するとどうなる?
ここで注意したいのは、東洋医学の舌診と、医療機関で行われる舌や口腔内の診察は目的が異なるということです。
舌診は鍼灸施術の方針を考える際の参考になりますが、舌にできた病変などを診断するためのものではありません。
例えば、舌にできものがある、出血している、強い痛みがある、しこりのようなものがある、潰瘍が長期間治らないなどの変化がある場合には注意が必要です。
そのような場合には「東洋医学ではこういう舌だから」と自己判断せず、歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科など適切な医療機関へ相談してください。
舌を見る習慣は身体の変化に気づくきっかけにはなりますが、舌診だけですべてを判断できるわけではありません。
自宅でできる舌のセルフチェック
セルフケア1 毎日同じ条件で舌を見る
舌の状態を確認するなら、毎回できるだけ同じ条件で見ることがポイントです。
例えば朝起きたときなど、食事やコーヒーなどの影響を受ける前に確認すると比較しやすくなります。
一日だけの変化で判断するのではなく、「いつもの自分の舌はどのような状態か」を知っておくと変化にも気づきやすくなります。
セルフケア2 色だけではなく形や舌苔も見る
鏡で舌を見るときは、色だけに注目しないようにしましょう。
舌が腫れぼったく見えないか、縁に歯型がないか、乾燥していないか、舌苔が普段より厚くなっていないかなどを確認します。
ただし、「この舌だから○○病」という自己診断は避けてください。インターネットの舌の写真と自分の舌を比較するだけでは、正確な判断はできません。
セルフケア3 舌だけではなく体調と一緒に記録する
東洋医学では、舌だけを単独で見るのではなく、睡眠、食欲、便通、冷え、疲労感など、さまざまな身体の状態と合わせて考えます。
自宅で確認する場合も、「今日は舌苔が厚い」という情報だけではなく、「昨日は睡眠不足だった」「食事が遅かった」など体調や生活習慣も一緒に記録しておくと、自分の変化を振り返りやすくなります。
当院で大切にしている考え方
杉本接骨鍼灸院では、鍼灸施術を行う際に、必要に応じて舌診、脈診、腹診などを組み合わせて身体の状態を確認しています。
例えば、同じ「肩こり」という訴えでも、全員に同じツボを使うとは限りません。
肩の状態だけではなく、睡眠、食欲、便通、冷え、疲労感などをカウンセリングで確認し、さらに舌や脈などの東洋医学的な情報を加えて施術方針を考えます。
舌を見る目的も「舌だけで病名を当てること」ではありません。
当院では、舌診をその日の身体の状態を考え、どのような鍼灸施術を行うかを決めるための情報の一つとして利用しています。
また、施術前後の変化を見る際にも、本人の感覚や身体の動きなどと合わせて状態を確認していきます。
東洋医学の伝統的な考え方を利用しながらも、必要な医療機関での検査や診断を否定するものではありません。症状によって医療機関での検査が必要と考えられる場合には、受診をおすすめしています。
まとめ
東洋医学で舌を診るのは、舌を見るだけで病気を言い当てるためではありません。
舌の色、形、舌苔、乾燥状態などを観察し、問診、脈診、腹診などと組み合わせて身体全体をどのように捉えるかを考えるための情報の一つとして利用します。
「なぜ肩こりなのに舌を見るの?」「なぜ腰痛なのに脈を診るの?」という疑問も、東洋医学が症状のある場所だけではなく、身体全体の状態を見ながら施術方針を考えることを知ると理解しやすくなります。
杉本接骨鍼灸院でも、舌診だけで判断するのではなく、カウンセリングや身体の状態、脈診など複数の情報を組み合わせながら鍼灸施術の方針を考えています。
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院情報
杉本接骨鍼灸院
大阪府八尾市恩智中町1-35-1-103
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