バランスをとるために身体は複雑なシステムを活用しています。
このシステムは目からの視覚情報、内耳(特に三半規管)からの平衡感覚、そして足の裏などからの触覚情報を組み合わせ、小脳で一元的にコントロールします。
大脳がこれら全ての情報を受け取り、自分がしっかりとバランスを取っているという感覚を得るのです。
ただし、理想的にはこれら全ての情報源から同じ信号が送られてくるはずなのですが、何かしらの原因で異なる情報が送られると、脳は混乱します。
この混乱状態がめまいの一番の原因となります。
めまいの具体的な症状としては、まるで天井がぐるぐると回っているか、自分自身が回転しているような感覚(これを「回転性めまい」と呼びます)や、自身がふらついている、または浮遊感がある(これを「浮動性めまい」と呼びます)といった形で現れます。
回転性めまいと浮動性めまいの違いは、情報の混乱の度合いと速さによるものです。
ただし、これらの症状の違いだけで、めまいの原因が内耳由来なのかそれ以外なのかを判断することは困難です。
一般的には、回転性めまいは内耳の問題から起こることが多く、一方、浮動性めまいはそれ以外の原因が多い傾向にあります。
めまいの原因を大きく4つに分けると、以下のようになります:
- 内耳由来のめまい
- 前庭神経由来のめまい
- 小脳・脳幹部由来のめまい
- それ以外のめまい・めまい感
具体的な各原因については、後述します。