人は入眠時に深部体温がわずかに下がることで自然と眠りに就くことができます。
眠くなった際に手足が温かく感じるのは、体内の余分な熱を手足の末梢血管を通じて放出しているためです。
しかし、生活習慣の乱れや心身のストレスが続くと自律神経が乱れ、体温調節がうまくできなくなります。特に交感神経が優位になると血管が収縮し、血流が悪くなるため、手足への放熱が妨げられ、結果として入眠が難しくなるのです。
また、内臓が冷えてしまうことで末梢血管が広がり、手足や頭に熱がこもるため、眠りが浅くなることもあります。身体の内側に過剰な熱がこもると、手足だけでは放熱が間に合わず、ひどい場合には寝汗をかくこともあります。
杉本接骨鍼灸院では、不眠症の原因を見極め、それぞれの症状に合わせた鍼灸治療を提供します。
鍼治療を通じて自律神経を整え、全身の血流を改善することで自然な睡眠を促します。さらに、不眠症と共に肩こりや首こりを伴う方が多いため、そちらの治療も併せて行います。
ここでは、不眠症のタイプごとのアプローチや治療法について詳しく説明します。
不眠症の種類と鍼灸治療法
1. 手足の冷えによる不眠タイプ
このタイプの不眠は、全身の血流が滞り、手足が冷えることで入眠しづらくなるのが特徴です。杉本接骨鍼灸院では、手足や首、肩、背中のツボを使って血流を促し、身体全体の緊張を緩和することで、副交感神経を優位にしリラックス状態を作ります。
鍼やお灸の刺激も優しく施し、身体を整えます。
さらに、日常生活でリラックスすることを心がけるとともに、就寝前にストレッチを取り入れ、手足を温めることが推奨されます。これにより、スムーズに入眠する環境を作ることができます。
2. 手足のほてりによる不眠タイプ
このタイプでは、全身の血流の滞りに加えて、内臓の冷えが原因で手足や頭部に熱がこもりやすくなります。
杉本接骨鍼灸院では、血流の改善に加え、内臓の冷えを緩和するために、お腹に鍼やお灸を施していきます。内臓が温まることで、手足や頭部の余分な熱が効果的に放熱されるようになります。
このタイプの不眠は、冷たい食べ物の過剰摂取や生活習慣の乱れが原因となりやすいため、遅い時間の食事を避け、就寝前にはお腹を温める習慣を取り入れることが重要です。
鍼灸治療と漢方、食事療法
不眠症の改善には、鍼灸治療だけでなく、漢方や食事療法も有効です。
例えば、身体を温める効果のある漢方薬として「桂枝茯苓丸」や「四物湯」などが、冷え性や血流不良に適しています。
これらの漢方薬は、内臓の冷えを改善し、血行を促進するため、手足の冷えやほてりによる不眠症状に効果があります。
また、食事面でも体を温める食材を取り入れることが推奨されます。
生姜やねぎ、にんにく、羊肉などは体を温める効果があり、冷えの改善に役立ちます。逆に、冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎは避けるべきです。
特に、夜遅くに冷たいものを摂取すると、内臓が冷えて体内の熱がこもり、結果的に不眠症を悪化させてしまいます。
治療の頻度
杉本接骨鍼灸院では、不眠症が改善するまで、最初の3ヶ月間は週に2回ほどの治療をお勧めしています。
施術を受けたその日はリラックスしてぐっすりと眠れることが多く、それが症状の寛解の第一歩となります。徐々に眠れる日が増え、薬に頼らずとも眠れるようになることが目標です。
このように、段階的な改善を目指しながら、焦らず長期的に治療を続けていくことが大切です。
症状が安定してきた段階では、治療頻度を週に1回から、さらに2週間に1回へと減らしていきます。この段階に入ると、自律神経のバランスが安定し、より自然な睡眠習慣が確立されます。
不眠症に効く代表的なツボ
不眠症の改善に効果があるツボとして、以下のポイントが知られています。
完骨(かんこつ)
両耳の後ろに位置する乳様突起の下端にあるツボで、自律神経を整える効果が期待できます。精神的なストレスや緊張が原因で不眠に悩んでいる方に効果的です。
失眠(しつみん)
足の裏側のかかとの中心にあるツボで、特に不眠症に対して効果があるとされています。足裏の刺激は全身のリラクゼーションを促し、自然な眠りへと導いてくれます。
まとめ
不眠症は、自律神経の乱れや血流不良など、さまざまな要因が絡んで発症することが多いですが、鍼灸治療を通じてこれらの問題を改善することが可能です。
杉本接骨鍼灸院では、患者様一人ひとりの症状に合わせたアプローチで、不眠症の改善をサポートします。さらに、漢方や食事療法を併用することで、より効果的に体質を改善し、健やかな睡眠を取り戻すことができるでしょう。
不眠症にお悩みの方は、ぜひ当院での治療を検討してみてください。
長期的な治療とともに、日常生活の改善を目指し、より良い睡眠環境を手に入れるために私たちと一緒に取り組んでいきましょう。