
ドライアイと自律神経|鍼灸で涙が増える?科学的根拠と整体でできること
「目が乾く」「ゴロゴロする」「夕方になると視界がかすむ」――ドライアイ(乾性角結膜炎・ドライアイ疾患)は、単なる“目の乾き”ではありません。実は、涙を出す涙腺(らくせん)は自律神経(交感神経・副交感神経)の影響を強く受けており、ストレスや睡眠不足で交感神経が優位になると、涙の分泌・涙液の安定が乱れやすくなります。
ドライアイは「自律神経」とどう関係する?
涙の分泌は、涙腺の働きだけでなく、まばたき、角膜表面の状態、涙の油分(マイボーム腺)など多因子で決まります。その中でも重要なのが自律神経です。涙腺は副交感神経の刺激で分泌が高まりやすく、逆にストレス下では交感神経の緊張が続き、目の不快感や炎症が増悪しやすいことが報告されています。ドライアイ患者では自律神経活動の特徴が症状の強さと関連する、という報告もあり、“目だけ治療しても改善しにくいタイプ”が存在します。
鍼灸がドライアイに役立つ可能性:研究で何が示されている?
近年、鍼灸(体鍼・電気鍼・耳介刺激など)とドライアイの関係を検討した研究が増えています。ランダム化比較試験(RCT)では、電気鍼が人工涙液よりも症状(OSDI)や涙液の安定性(TBUT/NIBUTなど)の改善に有利だったとする報告があります。また、鍼灸+人工涙液の併用を検討したシステマティックレビュー/メタ解析でも、症状指標や涙の検査値(例:Schirmer試験など)の改善が示唆されています。耳つぼ(耳介圧迫)でも症状改善の可能性が報告されていますが、研究の質にはばらつきがあり、今後さらなる高品質RCTが必要、という点は共通しています。
なぜ鍼灸で「目」が変わるのか(考えられる仕組み)
- 自律神経バランスへの作用:鍼刺激は副交感神経活動を高め、過緊張状態(交感優位)を緩める方向に働く可能性がある。
- 血流・炎症の調整:局所・全身の循環や炎症関連反応を介して、眼周囲の環境が整う可能性。
- 首肩の緊張・睡眠の質:首肩の過緊張や不眠が続くと、目の症状が悪化しやすい。鍼灸は筋緊張や睡眠の質改善に寄与する場合がある。
整体でできること:ドライアイを「悪化させる生活背景」に介入
整体は点眼の代替ではありませんが、ドライアイを悪化させやすい背景(首肩こり、猫背、呼吸が浅い、交感神経優位、睡眠不良)に対してアプローチできます。特に、長時間のPC作業ではまばたきが減り、前かがみ姿勢で首・胸郭が固まり、呼吸が浅くなりがちです。姿勢と呼吸が乱れると自律神経も乱れやすいので、当院では「首・胸郭・肩甲帯の緊張を整える」「呼吸が入りやすい体づくり」を重視します。鍼灸と組み合わせることで、目の症状そのものと、悪化要因の両面から整えることを目指します。
自宅でできるセルフケア(治療効果を底上げ)
- 20-20-20ルール:20分作業したら20秒、20フィート(約6m)先を見る。
- 温罨法:まぶたを温めて油分の出を助ける(火傷に注意)。
- 意識的なまばたき:「ぎゅっ→ぱっ」を数回、乾きやすい人ほど有効。
- 腹式呼吸:1日2〜3回、1〜2分でも副交感神経を入れる練習。
- 睡眠と室内環境:加湿、エアコン風直撃を避ける、就寝前のスマホ時間を短く。
受診の目安(眼科のチェックが優先のケース)
強い痛み、急な視力低下、充血が強い、目やにが増える、片目だけ急に悪化、コンタクト装用で激痛などは、角膜障害や感染症の可能性があります。これらは眼科受診が最優先です。その上で、ストレス・睡眠・首肩こりが絡む「慢性化したドライアイ」には、鍼灸や整体がサポートになり得ます。
まとめ:ドライアイは「目+自律神経」の両方を整える
ドライアイは点眼だけで十分な人もいますが、ストレスや自律神経の乱れが強いタイプでは、生活背景のケアが改善のカギになります。杉本接骨鍼灸院では、鍼灸による自律神経調整と、整体による姿勢・呼吸・首肩の緊張の改善を組み合わせ、目の不快感が出にくい体づくりをサポートします。
参考文献(研究・総説)
- 鍼灸+人工涙液の有効性に関するシステマティックレビュー/メタ解析(2024, PubMed)
- 電気鍼のドライアイに対するRCT(2023, PubMed / Wiley)
- 耳介圧迫(耳つぼ)とドライアイのシステマティックレビュー/メタ解析(2023, PMC / PubMed)
- ドライアイと自律神経活動の関連(2022, PLOS ONE/2023, IOVS)
院情報
杉本接骨鍼灸院
大阪府八尾市恩智中町1-35-1-103
072-943-6521
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