美容院勤務で出勤時間になると、ボロボロと涙が出てしまう。
仕事を休まなくならなくなって2ヶ月。毎日のように、夜も眠れない。常に、イライラしてしまう。イライラを解消するために、甘いものがやめられない。仕事に行けなくなって2ヶ月で9キロも太ってしまった。
来院されるまでに
1年くらい前から、調子が悪くなることがしばしば、仕事を数日休むことがあった。お客さんの予約をとっても、当日に店が開けられないことが増えてきたので、客足も徐々に遠ざかっていった。
夜の寝不足からか、朝起きれなくなり、家事にもほとんど手を出すことがなくなった。子供の弁当をご主人が作る状況に。
ご主人が見かねて、心療内科の受診を勧めて、「うつ病」と診断。抗うつ薬などを処方されて、10ヶ月ほどたつが、改善の兆しが全くなく、当院を受診。
これまでの食事をカウンセリング
朝、昼、晩共に白米を1膳づつ。小腹が空くとスナック菓子を多いときは1袋食べてしまうこともあった。お肉や魚よりも、米や麺類を中心に食べていた。
可能性として、鉄の不足とタンパク質不足を指摘して、これまでの血液検査の結果があれば、次回通院時に持参するようにお願いした。
通院ペースは、1ヶ月間は週1で通ってもらうようにお願いした。
2回目の受診時に
血液検査の結果を見せてもらう。中性脂肪が179で高め。BUNなど低かった。フェリチン値に関しての検査はしていなかった。後日に検査をしてもらうようにお願い。
タンパク質が不足しているのは初回のカウンセリングにて、判明していたので、鉄も不足してる判断し、フェリチンのサプリをアドバイス。
糖質制限の仕方を伝えた。
さらに食欲がないし甘いものが好きということもあり、プロテインを勧めた。
1ヶ月後には、夜眠れなくなる頻度が減りました。朝も起きられるようになり、毎日ではないけれども、早起きしてお弁当を作ることもできるようになってきた。明らかな体調の変化に本人も喜んでいる様子。
ちょうどその頃に、改めて持参してもらった血液検査の結果では、フェリチン値が34でした。1ヶ月前のフェリチン値がいかに低かったかというのがわかります。まだまだ数値としては低いということを伝えました。
白米やパン類を我慢できるようになり、体調もいいのでプロテインを続けながら、食事もお肉や魚を多くするようになったとのこと。
元気になった今、語ること
体調が改善して、よくなった後も整体に通っていただいています。
毎回のように仰ることは「自分がうつになるなんて想像もしなかった。」です。笑
原因らしい原因がないので、そう思われるかもしれません。
栄養が関わっているなんて思いもしません。体重が増えていることが、栄養が足りている。という認識を生んでしまっているパターンがほとんどです。太っていることこそ、栄養が足りていません。特にタンパク質と、女性の場合は「鉄」の不足です。
女性の場合は、月に1度の生理があります。この時に鉄を失っていることにもっと注意を払うべきです。貧血がないからといって、鉄が足りているということではありません。
女性の「うつ」の原因は栄養にあるかも
もし、あなたが原因のわからない体調不良ややる気の喪失があるなら、一度食事内容を改めて見るべきです。
特に、女性の場合は、代謝をコントロールするホルモンのバランスが崩れやすくなっています。炭水化物や甘いものをたくさん摂取しているなら、要注意!
うつ病の特徴とは?
うつ病とは、気分だけでなく、身体的にも自覚症状を伴います。原因は簡単にいうと、脳内の伝達物質がうまく作られない、運搬されないというものです。
脳内の伝達物質が不足することで、憂鬱な気分や意欲がなくなってしまいます。食欲がなくなったり、睡眠、性欲などもなくなってしまいます。
通常の生活でも、気分が塞ぎ込んだり、落ち込んだりとすることがあります。やる気が全くなくなるということもあります。この時に、脳へのエネルギーがきちんと運ばれていると、自然治癒力によって回復することができます。
しかし、エネルギーが足らなくなると「病気」として診断を受けてしまうことになります。診察を受けることは重要ですが、診断を受けると、家事、仕事、学校などの生活にも影響が出てしまいます。
初期はどんな?
うつ病の前兆や初期の症状としては次のようなものがあり、初期に対策をすることが根治への最短の方法です。
① 何をやっても楽しくない
② 気分が沈んだまま
③ 趣味にも意欲がなくなる
こういった行動が見られたら、まずは、食事、睡眠、運動を見直しましょう。
うつ病の種類とは?
うつ病の種類には以下のような分類があります。
うつ病の種類
①症状による分類
②症状の度合いによる分類
③既往による分類
④病型による分類
① 症状による分類
症状によるものには、単極性、双極性の2種類あります。うつ病には「うつ」状態と「そう」状態があります。単極性とはうつ状態だけが起こるもの、双極性とは、うつ状態と躁状態の両方が起こるものを言います。
② 重症の度合いによる分類
うつ状態だと、日常生活でコミュニケーションに支障がなく、ほとんど気づかれないレベルものから、全く会話が成り立たないレベルまで様々です。軽症、中等度、重症の3段階がありあります。
③ 既往歴による分類
初めてうつにかかっているか、以前に既往歴があるかの分類です。再発の場合は、いかに予防するかが治療のポイントになります。
④ 特徴的な病型による分類
典型的なものを「メランコリー型」と言います。
「メランコリー型」の特徴としては、何があっても良いことがあっても気分が晴れないということがあります。食欲がなくなりや、体重減少、起床時の気分が悪い、眠いのに朝早く目が冷めてしまう、などがあります。
次に「非定型」というタイプがあります。特徴としては、良いことがあると気分がよくなりますが、体重を気にするものの過食がやめられず、よく寝る、倦怠感がひどい、被害妄想気味、などがあります。
ついで、季節による気分の落ち込みがあるものを「季節型」と呼びます。「反復性」の一種です。冬場にうつ傾向が強くなることがあります。
「産後」にもうつ状態に陥ることがあります。産後4週以内に発症します。妊娠、出産によるホルモンのバランスの崩れ、産後の疲労、赤ん坊の育児不安、夜泣き、授乳による睡眠不足などが原因とされます。