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栄養

「感染予防・対策」免疫力をあげるためのグルタチオンとは?

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免疫力をあげるためのグルタチオンとは?

グルタチオンは人間の体内で重要な役割を果たすペプチドで、特に、抗酸化作用が強力です。

ペプチドとは、いくつかのアミノ酸の化合物のことを言い、グルタチオンについては、グルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸が連なったペプチドです。

酸化とは簡単にいうと人の体をサビさせることで、抗酸化とはサビから守ることを言います。

抗酸化の代表的な効果として疲労回復、動脈硬化の予防、アンチエイジングがあります。

抗酸化以外にもたくさんの働きがある

グルタチオンは免疫力アップにおいても重要な役割を担っています。

グルタチオンが不足することで、アレルギーや喘息などがおこることもあります。

さらに、肝臓の解毒を助ける働きもあります。
ウイルスやアルコールによる肝臓への障害をおさえる効果も期待できます。

美容面やその他の疾患でも、色素沈着、肝斑、じんま疹、皮膚炎の改善、パーキンソン病の治療にも使用されるほどです。

年齢共に減少するグルタチオン

残念ながら、20代をピークに加齢とともに減少していきます。

多く含まれる食品には、豚レバー、牡蠣、アボガド、トマト、小麦粉、米などがあります。

グルタチオンには酸化型・還元型がありますが、細胞内のグルタチオンは、通常98%以上が還元型として存在します。

抗酸化作用

活性酸素、フリーラジカルは激しい運動やアルコールの飲み過ぎ、喫煙、ストレス、生活の乱れなどにより作られます。

活性酸素やフリーラジカルは電子が不足した状態にあり、細胞の内部で他の物質から電子を馬部ことで、細胞膜や核酸などを傷つけます。

グルタチオンは、電子を豊富に持っているので、フリーラジカルに電子を与えて、安定な状態にすることができます。

解毒

グルタチオンはシステイン残基のチオール基に様々な物質を結合することで毒素を包み込み、水に溶ける状態にします。

毒素はグルタチオンと一緒に細胞の外へ出されてしまいます。

免疫

免疫に関与するリンパ球のヘルパーT細胞には、Th1細胞とTh2細胞とがあります。
Th1、Th2細胞はお互いにバランスをとっています。

グルタチオンが少ないと、Th2が増えてしまい、細胞の炎症が強くなってしまいます。

免疫のバランスが崩れて、Th2細胞が過剰になるとアレルギー症状がおこってしまいます。

特に、Ⅰ型のアレルギー(花粉症、気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など)が悪化してしまいます。

グルタチオンが十分な量存在するとTh1とTh2のバランスが保たれます。

さらに、細菌が体内に侵入して炎症が起こる場合には、一酸化窒素NOの合成がとても盛んになります。
グルタチオンと一酸化窒素が融合することで、細菌やウィルスに対して強い攻撃力を持ちます。

還元型グルタチオンのレベルが高く保たれていないと免疫力も下がり、ウィルスや細菌にも負けてしまうということになります。

アンチエイジング

グルタチオンは細胞核に入って、細胞分裂を促進します。

究極のアンチエイジングの薬と呼ばれる「テロメラーゼ」という酵素があります。
グルタチオンは、このテロメラーゼ活性を非常に高いレベルでコントロールしている事が分かっています。

テロメアとは?

テロメアとは、染色体の末端の部分で、染色体を保護しています。

正常な細胞分裂ではDNAが複製されますが、染色体の末端にあるテロメアは複製されません。

だから、テロメアは、細胞分裂を繰り返すごとに短くなってしまいます。

生殖細胞と癌細胞は例外で、テロメラーゼが発現しているので、どんなに細胞が分裂してもテロメアは短縮しません。

テロメアの長さを知ることで、細胞分裂の回数を測ることができます。
すなわち、テロメラーゼは細胞の老化や寿命をコントロールします。

テロメアは命の回数券なんて呼ばれ方もしてます。

ストレスで不足するテロメア

日常生活における、慢性的なストレスはテロメアーゼの働きを抑え、結果としてテロメアを短くしてしまいます。

ストレスには、食べ過ぎ、栄養の偏り、運動不足、睡眠の質、肥満、職場や家庭での環境因子、人間関係などがあります。

がん細胞に対しては、テロメラーゼ活性を抑制する事は、癌のコントロールに繋がります。

正常な細胞に対しては、その活性を高めれば、細胞の寿命の延ばすことができ、アンチエイジングに効果をもたらすことができます。

美白

シミの原因は大量のメラニン色素の沈着。

皮膚のターンオーバーの周期が乱れて、メラニン色素の排出が間に合わなくなってしまった結果です。

メラニン色素は皮膚細胞を守るために、メラノサイト(色素細胞)で作られます。
紫外線を受けると、メラノサイトからメラニン色素の生成が促進され、皮膚に沈着しやすくなってしまいます。

このメラノサイトを刺激するのは紫外線の刺激によって生成された活性酸素。

グルタチオンは強力な抗酸化作用によって紫外線による活性酸素の発生を抑えてくれます。

結果、シミの発生を抑えてくれます。

メラニンの種類

さらに、メラニンにはユーメラニンとフェオメラニンの2種類があります。

ユーメラニンは比較的に色が濃く、黒色~こげ茶色、フェオメラニンは薄くて、赤茶色~黄色の色素です。
グルタチオンはメラニンが作られる過程で、色の濃いユーメラニンの生成を抑えながら、色の薄いフェオメラニンに変えてくれる作用もあります。

つまり、グルタチオンは「メラニン生成の抑制」と「メラニンを黒くしない」の2つの作用を持っています。

グルタチオンをふやすには

グルタチオンはアミノ酸から構成される物質なので、胃腸で分解されてしまいます。
なので、食事やサプリメントで摂取して補うには限界があり、点滴によるグルタチオン静注が最善の方法と考えられます。

グルタチオンの代謝には、多くの因子や複雑な代謝経路と連携するため、サプリメントなどでの経口摂取するよりも、日々の食事でバランスを整えて不足がないようにすることが重要。

グルタチオンを多く含む食品

グルタチオンを多く含む食品には、オレンジ、りんご、キゥイ、洋なし、アボガド、トマト、グレープフルーツ、人参、だいこん、ほうれん草、カブなどがあります。

アブラナ科の野菜にはキャベツ、ブロッコリー、大根、カブ、小松菜、白菜、水菜、チンゲンサイなどがありますが、これらの野菜にはシステインが豊富というだけでなく、CHB(1-シアノ-2-ヒドロキシ-3-ブテン)が含まれることで、還元型グルタチオン濃度を上昇を2〜7倍上昇させるという研究もあります。

グルタチオンとシステインの関係

「グルタチオン」はグルタミン酸とグリシン、そしてシステインからなるトリペプチドという物質です。
なかでも、システインは不足しがちです。

システインはメチオニンから作られます。
つまり、
メチオニン → システイン → グルタチオン という経路で、グルタチオンの材料になります。

システインを増やすためにメチオニンを取ればいいかというと、メチオニンはホモシステインに変換されて、アテローム性動脈硬化、認知症リスクが高まるので、積極的に大量に摂取する必要はありません。食事で十分に補えます。

システインを多く含む食品には、ホエイプロテイン、玉ねぎ、にんにくなどがあります。

システインは腸管から吸収されにくいので、NAC(Nアセチルシステイン)をサプリとして摂取するのがおすすめ。ただし、血中のシステインレベルは長続きしないので注意が必要。

グルタチオン生成遺伝子を活性する食品として、緑茶、フィッシュオイル、レスベラトロール(ブドウの皮などに含まれるポリフェノールの一種)などがある。

グルタチオンを増やす物質としてMSM(メチルスルフォニルメタン)があります。

若い男性18人が激しい運動後にMSMを補給することで、血中のグルタチオンレベルを上昇させ1日に3g程度摂取することで筋肉痛などからの回復を早めるという報告もある。

その他のグルタチオン合成を促進する栄養素

セレニウム、マグネシウム、亜鉛、バナジウム、αリポ酸、S-アデノシルメチオニン(SAM-e)

メチレーション回路の促進

グルタチオン合成に必要なメチレーション回路を促進する栄養素にはつぎのようなものがある。

ビタミンB群(B6、B9、B12、ビオチン、葉酸)、セレン(セレニウム)、ビタミンC、E、ベタインなど。どれかひとつが欠けてもグルタチオンの産生代謝がうまく進みません。

毎日の生活に取り組むこと

有酸素運動での抗酸化作用により、酸化型グルアチオンの抑制と瞑想、ヨガなど、リラックスすることによってグルタチオンレベルが高まることが研究でわかっています。

グルタチオンまとめ

グルタチオンは強力な抗酸化作用を持っている。

肉より野菜の摂取で増えやすい。

バランスのとれた食事、適度な運動を心がけて活性酸素を発生させないようにするべき。

遺伝の情報にも影響を与える。

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  • この記事を書いた人

杉本敏男

大阪八尾市でダイエットと腰痛を栄養で解消する整体院を経営しています。身体だけでなく精神的な痛みや疲れも栄養を変えれば大抵は改善してしまいます。もしあなたがどこへ行ってもよくならない、痛みを抱えておられるのであれば当院へ一度、お越しください。