わかること
ビタミンKを多く含む食品とその働き
ビタミンKとは?
ビタミンKは、血液凝固と骨と心臓の健康に重要な役割を果たす栄養素です。
脂溶性ビタミンで、腸内でも合成されるので、普通の食生活で不足したり、過剰になることはほとんどありません。
主に野菜に多く、果物ではほとんど含まれていません。
また、肉類や魚介類の含有量も野菜に比べるととても少なくなります。
欠乏症は出血を引き起こし、骨を弱め、心臓病を発症するリスクを高める可能性があります。
1日に120 μg程度摂取していれば不足になる可能性はとても低いです。
ビタミンKを多く含む食品とは?
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より 単位(μg)
食品名 | 100g当たり |
あまのり ほしのり | 2,600 |
いわのり 素干し | 1,700 |
カットわかめ | 1,600 |
パセリ 葉 生 | 850 |
しそ 葉 生 | 690 |
あまのり 味付けのり | 650 |
モロヘイヤ 茎葉 生 | 640 |
ほしひじき 乾 | 580 |
ほうれんそう 油炒め | 510 |
あしたば 茎葉 生 | 500 |
しゅんぎく 葉 ゆで | 460 |
ビタミンKとは?
ビタミンKには主に2種類あります。
ビタミンK1(フィロキノン)は植物、特にほうれん草やケールなどの緑の葉野菜に多く含まれます。
ビタミンK2(メナキノン)は、腸管で自然に生成され、K1と同じ働きをします。
ビタミンKは、血液凝固の過程で重要な役割を果たします。擦り傷の体外への出血や手術などで体の内の過剰な出血を防ぎます。
血液が固まる過程で重要になるタンパク質を作るためにビタミンKが必要になります。
ビタミンKがカルシウムが骨に定着する際に働きます。
不足が起きにくいだけに注意が必要
野菜を中心に食事でも十分な量のビタミンK1を摂取できますし、それ自体でビタミンK2を作ることができます。そのため、ビタミンK欠乏症は成人ではまれです。
特定の条件や一部の薬物は、ビタミンKの吸収と生成を妨げ、欠乏する可能性があります。
血液をサラサラにするワーファリンの作用が妨害されてしまうので、処方されている方はビタミンKの取りすぎには注意が必要です。
ワーファリンは肝臓においてビタミンKが関わる血液の凝固因子がつくられるのを抑えます。結果、血を固まりにくくし、血栓ができるのを抑える薬です。納豆やクロレラなどのビタミンKを多く含む食品には気をつけましょう。
乳児には不足の可能性もある
ビタミンK欠乏症は乳児に多く見られます。ビタミンK欠乏性出血症VKDB(vitamin K dependent bleeding)と呼ばれます。
新生児のビタミンK欠乏症の原因:
胎盤がビタミンKや脂質を通しにくい。
新生児の肝臓が,血液凝固因子(プロトロンビン)合成が未熟。
母乳にビタミンK(約2.5μg/L)が少ない。(牛乳では5000μg/L)。
成人でも以下のに当てはまる人は注意
抗凝固剤を服用している
抗生物質を服用している
脂肪の吸収に問題がある
まとめ
- ビタミンKは血液を凝固させるために重要な栄養素
- 不足は出血傾向などのリスクがあるが低い。
- 乳児にビタミンK不足のリスクがある。
- 納豆など多く含む食品と服用中の薬の飲み合わせには注意