持久力のための筋肉と瞬発力を発揮するための筋肉は違います。
前者は赤筋、後者は白筋。
魚でいうとわかりやすいかもしれません。
ずっと泳いでいないと死んでしまうマグロはほとんどが赤身。
何もないとじっとしているけど、身に何か危険が迫ると「ぱっ!」と俊敏に遠くへ逃げ去ってしまうヒラメはほとんどが白身。
人間にもこの傾向があります。
日本人には白と赤の混合型が多いそうです。
白い筋肉をつくための遺伝子がACTN3遺伝子。
ACTN3タンパク質を作る際に重要です。
ACTN3とは?
ヒトのαアクチニンにはACTN1、2、3、4の4個が発見されています。
なかでも、ACTN3(α-アクチニン3)は筋たんぱく質同士をつないだり、速筋に存在するαアクチン3タンパク質を作るための遺伝子です。
速筋線維とは速い速度で収縮して、瞬発的に大きな力を発揮する筋肉です。
αアクチン3タンパク質は速筋線維を強くしたり、疲労耐性との関わりを指摘されています。
変異がない場合は完全なαアクチン3タンパク質がつくられます(R(またはC型))。
変異がある場合はαアクチン3タンパク質がつくられません(X(またはT型))。
これらの組み合わせで瞬発系、持久系が別れると報告されています。
RR型 速筋(白筋)型
速筋線維の割合が高い。
短距離走、ウエイトリフティング、相撲など瞬発力やパワーが必要な運動に適しています。
RX型 両筋バランス型
速筋と遅筋のバランスが良く、瞬発力も持久力も必要とする中距離走、サッカー、アメフト、ボクシングなどの運動に適しています。
XX型 遅筋(赤筋)型
遅筋線維の割合が高く、持久力を必要とする長距離走、マラソン、登山、トライアスロン、ダンス、エアロビなどの運動に適しているタイプです。
あなたはどのタイプ??
日本人の一般男女649人のACTN3遺伝子を調べた結果(※2)
PR型:20.3%
RX型:53.4%
XX型:26.3%
※2 Int J Sports Med. 2014 Feb;35(2):172-7
ACTN3 R577X genotype is associated with sprinting in elite Japanese athletes
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23868678/
まとめ
より効率よくダイエットを進めたり、筋力向上するためにあなた自身の筋肉の質を把握しておくことはとても大事。
瞬発系のスポーツが好きで、赤筋が多いと白筋が多い人と同じメニューでトレーニングしてもなかなか追いつけないかもしれません。
しかし、自身の状況を把握して、トレーニングの質を変えることで白筋が多い人と互角以上のパフォーマンスを発揮することも可能です。
逆のケースも同じです。
日本人には混合タイプが多いので、スポーツやお仕事の特性に合わせてトレーニングできるようになります。
ダイエットでも代謝を上げるために、あなたの筋肉の質にあった運動を取り入れることができます。