腸内細菌が小腸で大増殖!いいコト?悪いコト?
腸内細菌は大腸に約100兆個、小腸には約1万個。
ほとんどの腸内細菌は、基本的に大腸中に生息していて、小腸にはかなり少ないといえます。
しかし、小腸の腸内細菌が増えるすぎると病気になってしまいます。
小腸の細菌が増えすぎる病気
小腸のなかで、細菌が増殖してしまう「SIBO(小腸内細菌増殖症)」という病気が問題になっています。
「SIBO」はSmall Intestinal Bacterial Overgrowthの頭文字をとっています。
SIBOの原因
SIBOの原因は、加齢による小腸の機能低下や回盲弁が緩むことで起こります。
回盲弁はバウヒン弁とも呼ばれ、小腸の出口にある弁です。
本来、大腸の腸内細菌が小腸内に流入してしまい、大幅に増殖してしまいます。
小腸内の腸内環境が乱れますので、ガスが充満してしまいますが、小腸はガスに耐えるような構造をしていません。
小腸の腸内バランスが崩れると
小腸内の腸内細菌が増えて、ガスが溜まると、炎症を起こしたり、腸粘膜が壊される可能性が高くなります。
小腸内で、腸粘膜の繋がりが緩む、リーキーガット症候群のような症状を起こしたりします。
過敏性腸症候群とSIBOの関係
過敏性腸症候群(※)の患者のうち約80%がSIBOを併発しているというデータもあり便秘や下痢お腹の張りや違和感などが長引くようなら、一度SIBOを疑った方が良いかもしれません。
小腸の問題はカラダ全体に深刻な影響を及ぼすため、早めの改善が大切です。
(※)過敏性腸症候群とは
大腸に腫瘍や炎症など症状の原因となるような病気がないにも関わらず、お腹の調子が悪かったり、腹痛が続いたり、便秘や下痢などの症状が数ヵ月以上も続く消化管の機能障害の疾患。
小腸内細菌異常増殖症の症状
小腸内細菌異常増殖症の症状として特徴的なのは腹部症状。
腹部膨満感(おなかが張って苦く感じる)、下痢、便秘、腹部の不快感、腹痛、ガス(おなら)の増加などを訴えることが多いです。
なかには症状がほとんどみられない方もいます。
これらの症状のほかにも、抑うつ症状、関節痛、にきび、アレルギー、記憶力の低下や不眠症なども関連があるとされています。
小腸内細菌異常増殖症の症状は複雑ですので、専門医による診断をおすすめします。
小腸内細菌増殖症の予防
腸活として発酵食品を多量に摂取していたという方で、便通が改善しなかった、発酵食品を食べると下痢や腹痛を起こすという方は、発酵食品を控えめにしましょう。
小腸内細菌異常増殖症を予防できる人の食事というものがあります。
低FODMAP(フォドマップ)といいます。
大腸で吸収されないFODMAP
FODMAPとは発酵性(Fermentable)・オリゴ糖(Oligosaccharides)・二糖類(Disaccharides)、単糖類(Monosaccharides)・糖アルコール(Polyols)のそれぞれの頭文字をとっています。
これらは大腸で吸収されない発酵性の糖類の総称です。
FODMAPを含む食品を摂取しすぎると、腸内で吸収されずに残ってしまいます。
残ったFODMAPを栄養源に、腸内細菌が増殖してしまいます。
腸内環境が乱れ、過剰な発酵を起こし、ガスを発生させてしまい、症状の原因となります。
高FODMAPの食物
豆類
小麦
ネギ類
牛乳やヨーグルト
りんごや桃などの果物
はちみつ
など
これらは腸内環境を整えるために摂取しがちですよね。
腸活のために、摂り過ぎている可能性があるので、腸活を頑張っている人は気を付けてください。
適量を知りましょう。