三大栄養素と私たちの健康
三大栄養素、すなわち炭水化物、たんぱく質、そして脂質は、私たちの生命維持に欠かせない要素です。
特に、脂質を示す食用油は、1ml=9calという高カロリー性から、しばしば健康的でないと誤解されがちです。
とはいえ、脂質には体内で生成されない、必要不可欠な脂肪酸が含まれており、特に多価不飽和脂肪酸のオメガ3系脂肪酸のα-リノレン酸やオメガ6系のリノール酸が挙げられます。
昔の食生活と現代の課題
昭和初期、私たちの食卓にはイワシやサンマ、サバといった青魚が中心的な位置を占めていました。
これらの魚には、オメガ3系脂肪酸が豊富に含まれ、特にイワシはその宝庫と言えるほどでした。
しかし、戦後の食生活の変遷とともに、肉類の摂取が増え、オメガ3系脂肪酸の摂取量が減少しました。
オメガ3と6は、血液中で異なる役割を果たします。
オメガ3は血液の流れを良くし、抗炎症作用を持ちます。一方、オメガ6は血液を凝固させる効果があります。このため、一見オメガ6は不利な印象を受けるかもしれませんが、怪我などでの出血を止める時など、これが必要となるのです。
しかしながら、血液が適切な粘度でなければ、全身の細胞への栄養供給が難しくなります。
現代の食生活の中で、オメガ3よりもオメガ6の摂取量が増えてしまい、血液の流れが悪くなるリスクが高まっています。
オメガ3の適切な摂取法
オメガ3系脂肪酸は、青魚に多く含まれる一方、植物ではエゴマやシソがその良い供給源となります。
近年、エゴマ油を1日1小さじ摂取することの健康への効果が注目されています。ただし、エゴマ油は加熱に弱く、酸化しやすい性質を持っていますので、料理に使用する際や保存する際には注意が必要です。
最後に、菜種油や胡麻油、大豆油にもオメガ6系脂肪酸は十分に含まれており、必要以上の摂取は控えるべきです。
特にオメガ3系脂肪酸の摂取が不足している現代において、サプリメントを利用しての摂取も一考の価値があるでしょう。
オメガ9系脂肪酸の特徴
オメガ9系脂肪酸、特に代表格であるオレイン酸を豊富に含むオリーブオイルには、注目すべき特性があります。
アボカドにも同じ脂肪酸が含まれ、これらの食品は強力な抗酸化効果を持つとされています。
さらに、オメガ9系脂肪酸は熱に強く、加熱調理に適しています。
オリーブオイル選びのポイント
オリーブオイルの購入を検討する際、低価格のものは製造過程での溶剤使用が懸念されるため、慎重に選ぶことをおすすめします。
エクストラバージン100%のオリーブオイル、特にオーガニックで栽培されたものは、品質と価格が反比例することが多いです。
また、日本にはエクストラバージンオイルの表示基準が緩いため、選び方に注意が必要です。
オリーブオイルの購入時の確認ポイント
以下は、オリーブオイルを購入する際の確認ポイントです。
- 容器はビン製で、透明でなく遮光性のある色をしていること。
- オメガ3やオメガ9の成分を含んでいるか。
- 酸度が0.8%以下であること。これはエクストラバージンオリーブオイルの国際基準です。
- 低温圧搾、すなわちコールドプレス製法で作られているか。
- オーガニックで栽培されたオリーブを使用しているか。認証マークの確認もお忘れなく。
オリーブオイルに関する情報は多岐にわたりますが、これらのポイントを意識することで、より良い選択ができるでしょう。