中国の秘境、巴馬(バーマ)は「世界5大長寿の里」のひとつとして有名です。
この地で長寿の秘けつとされているのが、毎朝の麻の実の習慣。
長年にわたり、中国では麻の実が不老長寿のための秘薬と見なされてきました。
巴馬の住民は、麻の実を粉砕してお粥にするだけでなく、調味料として麻の実油を活用し、毎日40~50gの麻の実を取り入れています。
個人的に、サラダに振りかけて食べる方法がおすすめ。ナッツのように食べられて、とても美味しいです。この食べ方をぜひ一度お試しください。
ちなみに、巴馬には100歳を超える人が100人以上いるそうです。
麻の実の驚くべき健康効果を物語っているかもしれません。
ヘンプ(麻)・ヘンプシード(麻の実)とは?
ヘンプ、またの名を麻は、昔から私たちの生活に深く関わっています。
このアサ科の植物は、生育速度が速く、生命力が非常に強い一年草です。約90日で収穫でき、高さは3~4メートルにも達します。その歴史は古く、約3000年前から人々の生活に密接に結びついてきました。
ヘンプは、服や紙、建材、医薬品など、日常生活に必要不可欠なものを生み出すために利用されてきた重要な作物です。持続可能な天然資源として、長い間人類の生活を支えてきたのです。
技術の発展に伴い、ヘンプの可能性はさらに広がりました。特に、麻の実からはチーズやミルク、アイスクリーム、小麦粉、豆腐、バター、オイルなどの多様な食品が製造されています。さらに、その葉や茎からは、2万種類を超える多岐にわたる製品が生み出されているのです。
これらは医療用品や家庭用品など、私たちの生活のあらゆる面で利用されています。
日本においては、ヘンプが注目される一方で、テトラヒドロカンナビノール(THC)という陶酔成分に関しては厳しい規制があります。国内での栽培や加工、輸入に関しては、国際基準に則った低THC含有量の産業麻が主に利用されており、これらの基準を守りながら製品が販売されています。
このように、ヘンプは古くから私たちの生活に密接な関わりを持つ植物であり、今なおその利用範囲は広がり続けています。
世界中で愛されるヘンプシード、健康の味方
麻の種子、通称ヘンプシードは、世界各地で伝統的に利用されている雑穀の一つです。
現代社会では、偏食が引き起こす栄養不足が課題となっていますが、ヘンプシードには、体に欠かせない多種多様な栄養素がぎっしり。
このため、特に欧米でスーパーフード、すなわち優れた健康食材として、近年ますます人気を博しています。
食べやすくて体にやさしいヘンプシード
ヘンプシードは柔らかくて扱いやすい種子なのが特徴。特別な準備や調理をせずとも、素のままで簡単に摂取でき、体への吸収もスムーズです。
動物由来や加工された食品と比べて、消化にかかる時間を減らすだけでなく、消化器官への負担も軽くなります。
さらに、食品の安全性が重視される今日、アレルギーや遺伝子組み換えとは無縁で、どんな年齢の人でも安心して食べられる点が、ヘンプシードの魅力をより一層引き立てています。
ヘンプシードの魅力を紐解く5つのトピック
1. 消化しやすい高品質なたんぱく質を豊富に含む
たんぱく質は私たちの健康に欠かせない3大栄養素の一つで、生命活動の基となるエネルギー源です。
体を構成する筋肉や臓器、血液などは、たんぱく質からできています。不足すると健康維持が難しくなります。肉や魚、大豆といった食品がよく知られたたんぱく質源ですが、ヘンプシードもまた、優れたたんぱく質源として注目されています。
その特徴は、非常に消化がよく、体に吸収しやすい点にあります。
2. 体の健康を支える必須アミノ酸をバランスよく含む
たんぱく質の構成要素であるアミノ酸には、食事から摂取する必要がある必須アミノ酸と、体内で生成できる非必須アミノ酸があります。
ヘンプシードには、これらのアミノ酸が豊富に含まれており、特に必須アミノ酸がバランスよく含まれているため、日々の健康維持に役立ちます。加えて、年齢とともに減少する非必須アミノ酸も、ヘンプシードから効率的に補うことができます。
動物性たんぱく質と異なり、余計な脂質やカロリーが少なく、また特有のタンパク質「エデスチン」により、消化・吸収が良いのもポイントです。
さらに、大豆や小麦のようなアレルギー物質や遺伝子組み換えの心配がないため、どなたでも安心して利用できます。
3. オメガ6とオメガ3、最適なバランスで輝く健康と美容!
人間の体では生成できないため、食べ物を通じて摂取しなければならない必須脂肪酸。
これは私たちの健康には欠かせない要素で、特にヘンプシードオイルにはその宝庫と言えます。このオイルには、体にとって欠かせないリノール酸(オメガ6)とα-リノレン酸(オメガ3)が豊富に含まれており、その割合は約80%にも上ります。
特にヘンプシードオイルは、植物油の中でも最高レベルの含有量を誇り、健康だけでなく美容にも最適です。
WHOや厚生労働省が推奨するオメガ6とオメガ3の理想的な摂取比率は4:1ですが、ヘンプシードオイルはそれを上回る3:1という驚きのバランスを持っています。つまり、1日分のオメガ3をスプーン1杯で補うことができるんです。
更に、このオイルには特有の「γ-リノレン酸(GLA)」も含まれており、トランス脂肪酸がゼロなので非常にヘルシーです。
ヘンプフーズのヘンプシードオイルは、低温圧搾法で抽出され、品質を保持するために遮光グラスボトルで保存されています。これにより、自然由来の栄養素を損なうことなく、オイル本来の味わいを楽しむことができます。
まさに、日々の食生活に加えたい、コクのある上質なオイルと言えるでしょう。
4.美容と健康の味方、ヘンプシードに含まれる鉄分、亜鉛、マグネシウムなどの必須ミネラル
私たちの体調を整え、健康を保つためには、ミネラルが欠かせません。ミネラルは体内で生成されないため、食事を通して摂取する必要があります。特に、鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルは、骨や体の組織を作り、体調を整えるのに役立ちます。
しかし、現代社会では適切なミネラル摂取が難しくなっています。
ここで注目したいのがヘンプシードです。大さじ3杯(約30g)で、成人が1日に必要とする鉄分、マグネシウム、亜鉛を効率的に摂ることができるのです。食生活の変化によるミネラル不足は、添加物や農薬など化学物質の影響でミネラルが消費されやすくなるためです。
不適切な食事もミネラルの無駄遣いにつながります。
5.腸内環境を整える”食物繊維”
さらに、ヘンプシードは腸内環境を整える効果も期待できます。
その秘密は、主に不溶性食物繊維にあります。この食物繊維は腸の動きを活発にし、排泄を促すと共にデトックス効果もあるため、内側からの美を促進します。美肌作りにも一役買ってくれるのです。
ヘンプシードを上手に取り入れて、美と健康のサポートをしましょう。
地球を守るグリーンなパワーハウス:ヘンプの魅力
地球の環境を思うと、どうしても心が重くなる今日この頃。
しかし、希望の光が見えています。その名もヘンプ。ただの植物と侮るなかれ、ヘンプは私たちが直面している環境問題への素晴らしい解決策なんです。
なぜヘンプがこんなに注目を浴びているのでしょうか?その秘密は、ただ美味しい食材というだけでなく、布や薬、さらには建築材料や紙、バイオプラスティックに至るまで、多岐にわたる用途があることです。
しかも、これらすべてが環境に優しい方法で生産可能とくれば、話題にならないわけがありません。
地球温暖化や砂漠化、水不足などの問題に頭を悩ます世界にとって、ヘンプはまさに救世主と言えるでしょう。農薬や化学肥料を必要としない強靭さ、乾燥地帯でも育つ驚異の適応力、そしてなんといっても二酸化炭素を大量に吸収してくれるエコヒーロー。
これほどまでに環境に優しく、さまざまな場所で育てることができる植物は他にありません。
ヘンプはたった90日で大量の二酸化炭素を吸収し、植物の中でも特にその能力が高いことで知られています。比較にならないほどの吸収力を持つヘンプは、環境保全だけでなく水資源の節約にも大きな役割を果たしています。
例えば、ヘンプの栽培によって、コットンと比較して膨大な量の水が節約できるというデータもあるのです。
環境問題に立ち向かう私たちにとって、ヘンプはまさに希望の象徴。地球環境を守るために、これからもヘンプの可能性を最大限に活用していきたいものです。