腰痛と副甲状腺機能亢進症の関係ついて知っておいて欲しいこと

筋肉や関節の問題で腰痛が起これば、ギックリ腰でも慢性でも比較的簡単に治せます。しかし、隠れた病気のせいで腰痛を起こしてしまうこともあります。

いい大人が「こんな腰痛くらい寝たら治る」とか楽観せずに、用心してください。

副甲状腺機能亢進症も腰痛やだるさを症状としてもつ病気です。

副甲状腺の役割とは

副甲状腺は、上皮小体とも呼ばれ、甲状腺の裏側にあります。大きさは米粒の半分くらいの臓器です。
副甲状腺は、副甲状腺ホルモンというホルモンを分泌して、血中のカルシウム濃度を高めています。

副甲状腺がなんらかの異常によって、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態です。血液中のカルシウム濃度が必要以上に高くなってしまうために、さまざまな症状が現れてしまいます。

副甲状腺機能亢進症には副甲状腺そのものに原因があるものを「原発性」、腎不全など副甲状腺以外の原因で起こるものをそ「二次性（もしくは続発性）」副甲状腺機能亢進症とよびます。

副甲状腺機能亢進症には特徴的な症状が3つあります。

骨病変
尿路結石
高カルシウム血症

血中のカルシウム濃度が高くなってしまい、逆に骨のカルシウムが減ってしまうことで骨が脆くなってしまいます。骨折しやすくなったり、身長が低くなったりします。

血中のカルシウム濃度が高くなることで、結石が作られやすくなってしまいます。尿路や腎臓に結石がみられることが多いです。

血中にカルシウム濃度が高くなると頭痛や吐き気、食欲の低下、便秘、イライラ、筋力低下がみられます。

副甲状腺機能亢進症のみだと症状が軽いことが多い。しかし、血中のカルシウム濃度が異常に高い場合は副甲状腺ガンの可能性がある。このガンの発生率は非常に希です。

ひどい場合には腰痛なども症状としてあらわれるが、多くは体のだるさや疲れなどから、血液検査をして見つかることも多いです。疑いがあると血液検査、尿検査を行なってカルシウム濃度やホルモンの数値を確かめます。エコーやCTなどで副甲状腺の腫瘍の有無や場所を調べます。

薬剤による治療から手術まで選択肢があります。根本的な治療には肥大した副甲状腺を摘出する手術が選択されます。
血液中のカルシウム濃度が非常に高くて、症状が強く出ている人は入院がひつようになります。

腰痛や体のだるさがいつもと違うなどあれば、整体などに行っても、楽観せずに内科の受診をお勧めします。
副甲状腺機能亢進症は5000人に1人くらいの発生率です。がんに関してはもっと希な病気ですが、予備知識として持っておいてください。早期発見が一番です。