鉄サプリの摂取の際に気をつけるべきこと
体内の鉄は、Fe2+ Fe3+のように二価と三価、2通りの形で存在します。
Fe2+(二価の鉄イオン)は過酸化物が存在するとフェントン反応といって、ヒドロキシラジカルという物質を生成します。
このラジカル(イオン、フリーラジカル)は、酸化力がとても強い物質です。
体内に鉄が多いほど、フリーラジカルが増加し、細胞内の酸化による負荷(ストレス)も強大になってしまいます。
これは以下のような慢性疾患の原因となる可能性が示唆されています。
慢性疾患の原因にもなる
がん、動脈硬化、パーキンソン病、不整脈、喘息、腎不全、アレルギー、リウマチなど
活性酸素についてはこちらも
がんについては、ほぼすべての癌細胞は細胞内に鉄をため込んでいます。
そのことから、岡山大学の研究では、鉄キレートを用いて鉄を体内から除去すると、癌細胞の増殖が停止し、アポトーシス(細胞死)が起こるということが報告されています。
心筋梗塞、ガン、動脈硬化のリスクが高くなる
心筋梗塞のリスクを高める因子としても注意が必要です。
鉄は確かに、ヘモグロビンや酵素、たんぱく質の形成に必要ですが、血液検査の結果で、貧血でもない限り、鉄の摂取は積極的でなくてもいいと思います。鉄不足でない人が鉄を摂取し続けると、酸化による負担が大きくなり、癌や動脈硬化を招いてしまいます。
さらに、鉄の摂取量が多いほど、腸内に病原微生物が増える可能性が高くなります。
食事で赤身の肉など鉄分が豊富な食べ物を摂取していれば、ほとんどの人で問題がないことが多いです。
過剰を防ぐために
体は簡単に余分な鉄を排出することができませんので、血液検査に問題がなく、医師に指導されない限り、余分に摂取することは控えた方が良いと言えます。
過剰な鉄を取り除く最も効果的な方法は瀉血です。だから、女性の場合、閉経までは鉄過剰に陥る可能性は低くなります。同様に、頻繁に献血する人もリスクが低くなります。
鉄を強化した商品も多くなっていますので、貧血などで鉄不足が気になるなら検査をなさってください。
「地球上の生命体の活動や疾患における鉄の重要性の再認識」には、鉄過剰を防ぐには年に2回ほどの献血を勧めるほどです。
鉄サプリを飲む際の注意事項
鉄サプリを飲むと、胃の不調や吐き気などを感じる人が少なからずいます。これは鉄の過剰によるフリーラジカル、病原性微生物の増大を防ぐために体が拒否しているといえます。
明らかに鉄が不足している場合でも、なんとなく、鉄が不足しているかも?といってなんとなく感じている場合でも、安易に摂取するのではなく、医師に相談の上、検査結果を踏まえて鉄を摂取するようになさってください。
鉄はとっても重要な成分です
特にキレート鉄は吸収率がよいのでおすすめですが、問題はその過不足です。
女性の場合は、心身の不調があれば考慮すべきミネラルだと思います。
ややこしいのはその基準値。
あっちでは100以上!
こっちでは30くらいで十分。
うつやパニックは鉄不足だ!とかそれは取りすぎだーとか、なんだかよくわからなくなってしまいます。
ただ臨床での実績で判断するなら、藤川先生のフェリチン値100がいいのかと思っています。あくまでも個人の見解で、医療機関で検査結果をみての判断!(^。^)
アメリカの基準は
https://www.mayoclinic.org/…/ferritin-te…/about/pac-20384928
こちらにあるように
男性ではミリリットルあたり20から500ナノグラム
女性ではミリリットルあたり20から200ナノグラム
かなり幅があるんですよねー。
個人によって必要量が違うと考えて、慎重に状況判断してキレート鉄をおすすめする。
アメリカなどでは食品に鉄を含ませているものが多いので足りている、日本ではそれがないから不足しがちというにも事実だと思います。
鉄の総量が多いと、問題になるのは2価の鉄イオンで、体内に活性酸素である過酸化水素が存在すると、フェントン反応によって、ヒドロキシラジカルが発生することです。
生体にとってヒドロキシラジカルはDNAや組織を酸化劣化させる最凶の活性酸素です。
ここで抗酸化の作用がある栄養素が重要ですよねーとなります。抗酸化作用のあるものとして、ビタミンEやビタミンC,CoQ10などが重要になります。