解毒とは?
健康や美容で重要なキーワードで「解毒」があります。
解毒とは体内に摂取したり、溜まってしまった有害物質を無毒化、もしくは体の外に排出することをいいます。
解毒を行っている器官は、主に肝臓と腎臓です。
お酒などのアルコールや防腐剤などの食品添加物、薬なども体にとっては有害物質です。
肝臓はこれらの有害物質を無害なものに分解・処理して、体外へ排出します。
体外から摂取する有害物質だけでなく、体内で発生する有害物質も解毒作用をもちます。
タンパク質を消化吸収する際に発生するアンモニアを尿素に変えるのも肝臓の働きです。
腸と肝臓は連携しあっている
解毒は、肝臓で飲食するごとに、休む間もなく働き続けています。
腸は肝臓をサポートしています。
腸の働きは消化・吸収と肝臓の負担を軽減させています。
体外から侵入した有害物質に対して、最初にバリアとして対応するのは腸です。
さらに、有害物質が体内に侵入するのをブロックするのも腸です。
腸でブロックできなかった有害物質は、肝臓に運ばれて解毒されます。
腸がきちんと機能することで、肝臓で解毒する有害物質を減らすことができます。
腸のバリアとしての働き
口から入るものに含まれる発がん物質、ホルモンを乱してしまう有害物質は、栄養と一緒に小腸で吸収されてしまいます。
中でも油に溶ける物質のことを「脂溶性物質」といいますが、腸の細胞(腸上皮細胞)に容易に入り込みます。
腸上皮細胞は、以下の通り侵入してきた有害物質に対して、解毒・排出の働きをしています。
ポイント
(1)有害物質の検知
(2)解毒酵素を分泌
(3)無毒化
(4)細胞外への排出
(1)有害物質を検知
腸の細胞(腸上皮細胞)には有害物質を検知する受容体(センサー)があります。
(2)解毒酵素の誘導
有害物質を検知して、解毒するための酵素を誘導。
(3)無毒化
酵素が有害物質を無毒化。
(4)細胞外への排出
無毒化された有害物質が細胞外へ排出されます。
腸は有害物質に対してバリアとして働きます。
解毒と腸内細菌の関係
腸内の細菌は200種、100兆個以上の住んでいます。
消化吸収を助けてくれる腸内細菌ですが、種類によっては、タンパク質を分解してアンモニアやニトロソアミン、フェノール、インドールなど有害な物質を産生します。
有害物質を作る細菌でも、代謝の手助けをしてくれたり、他の細菌を栄養していることもあります。
中には有害物質を代謝する働きを持つ細菌もいます。
腸内細菌によって、有害物質を産生させたり、解毒させたりしてバランスを保っています。
腸内細菌のバランスが崩れると、有害物質を作る細菌だけが増えてしまったり、有害物質を無毒化する細菌だけが減ったりします。
このとき、有害物質が増えて、肝臓の負担も多くなってしまいます。
なので、腸内細菌のバランスが大事になります。
おならが臭くなると要注意
腸内細菌のバランスが崩れると、おならが臭くなります。
食べ物を分解するときに出すガスの多くは、水素やメタンでほとんど臭いはありません。
肉を食べ過ぎたり、プロテインをとりすぎると、おならが臭くなりますが、過剰摂取によって、腸内細菌バランスが乱れてしまいます。
すると、アンモニアや硫化水素、インドールなどのガスがでるとおならが臭くなってしまいます。
おならの臭いは、腸内細菌バランスの判断のひとつです。
普段より臭いときには、食生活を見直してみましょう。
下痢も解毒作用のひとつ
下痢は、体内に有害物質が入ってくると、腸がそれを検知して多量の腸液を分泌し、体外に排除しようとしています。
下痢も解毒の1つなので、むやみに薬などで止めてしまうのも控える方が良いかもしれません。
薬が必要な下痢かそうでもないケースか医師に相談するべきだと思います。