花粉症に苦しむ方が増え続ける現代、多くの人が一度発症すると治らないと考えがちです。しかし、実は花粉症は改善・克服が可能なもの。食事や生活習慣の見直しにより、多くの人が症状の緩和を体験しています。
花粉症改善のカギ:肝の解毒力を高める
東洋医学における「五臓」には、肺・心・脾・肝・腎がありますが、この中で春の時期に重要な役割を担うのが「肝」です。
肝の主な機能は解毒。暖かくなるこの時期、肝は身体の代謝を高め、ウイルスや花粉などの外敵から私たちを守っています。
「肝」を疲れさせない生活を
しかし、現代生活には肝を疲れさせる要因が満載です。過労、寝不足、ストレス、目の酷使、そして食生活の乱れ。
特に、アルコール、カフェイン、揚げ物、乳製品、肉の脂、添加物の多い食品などが肝の負担を大きくします。
実践!花粉症対策薬膳
対策として、今すぐにでも始められるのが薬膳を取り入れた食養生。アレルギー症状の改善には、「肝」の解毒力をサポートする食材を積極的に取り入れましょう。避けた方が良いのは、先に挙げた肝に負担をかける食材。
特に花粉症の症状が重い時期には、これらを控えることが重要です。
例えば、食生活の小さな工夫から始めてみましょう。
バターたっぷりの食パンとカフェラテの代わりにゆで玉子とブラックコーヒーを。お昼の天ぷらそばを蒸し鶏のサラダに変えるなど、肝に優しい選択を心がけてください。
春におすすめ!「肝」の解毒力を高める緑の食材
春、新しい生命が息吹く季節ですが、この時期には体調を整え、特に「肝」の解毒機能をサポートする食材を積極的に取り入れることが大切です。
緑の葉物野菜は、その最良の例として挙げられます。東洋医学では、春を象徴する色として「青(緑)」が挙げられ、この季節に合わせた色の食材を取り入れることで、季節の変わり目における体調の調整が可能とされています。
緑の葉物野菜の代表者たち
セリ:春の七草の一つであり、古くから春の訪れを告げる食材として親しまれています。「清熱利湿」の薬膳的効能があり、花粉症による目の痒みや鼻水に対して有効です。セロリでも似たような効果が期待できます。
菜の花:春を象徴する菜の花は、「解毒」「消腫」「通便」の効果があるとされ、春のデトックスには欠かせません。
キャベツ:季節を問わず手に入りやすいキャベツは、解毒作用は控えめですが、胃腸の調子を整え、免疫力の向上に役立ちます。
花粉症対策におすすめのその他の食材
ごぼう:解毒作用と炎症を和らげる効果があります。便通を促すことで、アレルギー反応の一つである花粉を体外に排出するのに役立ちます。
きのこ:免疫力を高める「補気」の作用があり、便通を良くする効果もあります。
みそ:発酵食品としてのみそは、免疫力と密接に関係する胃腸の機能を整え、解毒作用も期待できます。毎日のみそ汁が推奨されます。
緑豆もやし:解毒力に優れ、特に豆の皮がついた状態のものが推奨されます。
まとめ:春の食養生
「肝」の負担を減らし、その解毒力を高めるためには、これらの食材を積極的に取り入れることが重要です。特に葉物の野菜をふんだんに使用したみそ汁を中心に、和食を基本とした食生活を心がけることが、春の季節における最適な食養生と言えるでしょう。
花粉症のシーズンには、これらの食材を積極的に取り入れて、体の内側から健康をサポートしましょう。
「花粉症に良い」とされる食材やサプリメントを摂取しても、日々の生活習慣が肝の機能を低下させていれば、その効果は半減してしまいます。今日からできる肝に優しい生活習慣の見直しで、この春は快適に過ごしてみませんか?