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認知症・アルツハイマー病 書籍

80歳からでも間に合う 認知症がみるみる遠ざかる食べ方 古和久朋 (著)

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認知症は加齢とともにそのリスクが高まる疾患ですが、近年の研究では、適切な食事と生活習慣によってそのリスクを大幅に減らせることがわかっています。

今回ご紹介する「80歳からでも間に合う 認知症がみるみる遠ざかる食べ方大全」では、特に高齢者に向けた認知症予防のための具体的な方法がまとめられています。

本記事では、この内容をさらに詳しく掘り下げ、科学的な知見とともに実践的なアドバイスをお届けします。認知症予防を真剣に考えている方、家族の健康を守りたい方にとって必見の内容です。

認知症予防に欠かせない食事のポイント

認知症とアミロイドベータの関係

認知症、特にアルツハイマー型認知症の発症には、アミロイドベータというタンパク質が大きく関与しています。アミロイドベータは脳内に蓄積すると、「老人斑」と呼ばれる塊を形成し、神経細胞にダメージを与えます。

この蓄積が進行すると、脳の萎縮や認知機能の低下が顕著になり、最終的には認知症へとつながるのです。

このアミロイドベータを除去する方法として、食事が非常に重要な役割を果たすことが知られています。特に、アミロイドベータの蓄積を防ぎ、その排出を促進する食材を日常的に取り入れることが、認知症予防のカギとなります。

ポリフェノールのパワー

ポリフェノールは、植物由来の抗酸化物質で、体内の酸化ストレスを軽減し、アミロイドベータの形成を抑える効果があります。多くの研究が、ポリフェノールの摂取が認知機能の維持に有効であることを示しており、以下のような食材が特に注目されています。

カテキン(緑茶に含まれる):

カテキンは、抗酸化作用が強く、アミロイドベータの形成を防ぐだけでなく、神経細胞を保護する効果もあります。日本では、緑茶を日常的に飲む習慣があり、これは認知機能の低下を予防するうえで有益であると考えられています。

例えば、国立長寿医療研究センターの調査では、緑茶を1日2杯以上飲む人は、認知機能が低下しにくいという結果が報告されています。

レスベラトロール(赤ワインやベリー類に含まれる):

レスベラトロールは、サーチュイン遺伝子を活性化することで、脳の老化を遅らせ、神経細胞の働きをサポートします。赤ワインを飲むことが認知症予防に役立つという話もありますが、アルコールの過剰摂取には注意が必要です。

そのため、レスベラトロールを効率的に摂取する方法として、ベリー類やサプリメントが推奨されます。

クルクミン(カレーのターメリックに含まれる):

インド料理に欠かせないターメリックに含まれるクルクミンは、アミロイドベータの形成を阻害する作用があります。

インド人のアルツハイマー病発症率が低い背景には、このクルクミンの摂取が関与していると考えられています。また、日本風のカレーでも効果が期待できることから、定期的にカレーを食べることが認知症予防につながるとされています。

脳に良い脂質を選ぼう

オメガ3脂肪酸の重要性

オメガ3脂肪酸は、脳の構造と機能に欠かせない成分です。特にDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、神経細胞の膜構成に不可欠であり、脳のシナプス形成や情報伝達に深く関わっています。

青魚(サンマ、アジ、イワシ、サバなど)を週3回以上摂取することが推奨されており、これが認知機能の維持に寄与することが多くの研究で示されています。

また、EPAは血液をサラサラにする効果があり、脳血管障害を予防する役割も果たします。これにより、脳血管性認知症のリスクを減らすことが期待されます。

DHAやEPAの不足は、脳の機能低下や認知症リスクの増加と関連しているため、日常的な摂取が重要です。

中鎖脂肪酸の利点

中鎖脂肪酸は、特にココナッツオイルに豊富に含まれ、通常の長鎖脂肪酸と比べて、消化・吸収が速く、すぐにエネルギーとして利用されます。

アルツハイマー型認知症患者では、脳がブドウ糖を効率的に利用できなくなることが知られていますが、中鎖脂肪酸は代替エネルギー源として脳に供給され、認知機能の改善が期待されます。

ココナッツオイルはまた、酸化に強く、長期保存が可能で、日常の料理に取り入れやすいのも利点です。特に、油を使用する料理でオリーブオイルやバターの代わりに使うことで、健康的に認知症予防をサポートできます。

避けるべき脂質:トランス脂肪酸と飽和脂肪酸

健康的な食生活を送る上で、避けるべき脂質も明確にしておく必要があります。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、人工的に作られた脂肪酸で、主に加工食品に多く含まれています。マーガリンやショートニング、ファストフードなどに使用されることが多く、

これらを摂取することで認知症リスクが増加することが示されています。トランス脂肪酸は、体内で炎症を引き起こし、動脈硬化を促進することで、脳に悪影響を与えます。健康的な脳を保つためには、これらの食品をできるだけ避けることが重要です。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、バターやラード、牛脂などの動物性脂肪に多く含まれています。

これらを過剰に摂取すると、血中コレステロールが上昇し、脳梗塞や循環器系の疾患リスクが高まることがわかっています。脳の健康に悪影響を与える可能性があるため、特に高齢者は飽和脂肪酸の摂取量に注意を払う必要があります。

糖尿病と認知症の密接な関係

インスリンの役割と認知症リスク

糖尿病と認知症の関連性は多くの研究で指摘されており、その背後にはインスリンの役割があります。インスリンは血糖値を調整するホルモンですが、同時にアミロイドベータの分解にも関与しています。

糖尿病になると、インスリンの過剰分泌が続き、インスリン分解酵素が大量のインスリン処理に追われるため、アミロイドベータの分解が後回しにされ、結果として脳内に蓄積しやすくなります。

さらに、糖尿病は動脈硬化を引き起こしやすく、これが脳血管障害を引き起こすことで、脳血管性認知症のリスクも増加します。

これにより、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の両方のリスクが高まるため、糖尿病の管理は認知症予防にとって極めて重要です。

糖尿病予防のための生活習慣

糖尿病予防は、ひいては認知症予防にもつながります。日常生活で実践すべきいくつかのポイントを以下に挙げます。

適度な運動

  • 定期的な運動は、インスリン感受性を高め、血糖値を正常に保つ助けとなります。特にウォーキングや軽いジョギング、筋力トレーニングは、糖尿病予防に効果的です。

バランスの取れた食事

  • 高糖質の食品や甘い飲み物を控え、食物繊維やたんぱく質を豊富に含む食事を心がけましょう。また、過食を避け、規則正しい食事をすることも重要です。

定期的な健康診断

  • 早期発見が大切です。定期的に健康診断を受け、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンA1c)値を確認し、糖尿病リスクを把握しましょう。

まとめ

認知症予防は、食事と生活習慣の改善から始まります。特に、アミロイドベータの蓄積を防ぐポリフェノールや、脳の健康を支えるオメガ3脂肪酸の摂取が鍵となります。

また、糖尿病予防に取り組むことも認知症のリスクを下げるために欠かせません。トランス脂肪酸や飽和脂肪酸の摂取を控え、バランスの取れた食事と適度な運動を続けることで、健康な脳を保ちましょう。

本記事を参考に、ぜひ日常の生活に取り入れてみてください。認知症を遠ざけ、健やかな老後を迎えるための一歩を踏み出しましょう。

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  • この記事を書いた人

杉本敏男

大阪八尾市でダイエットと腰痛を栄養で解消する整体院を経営しています。身体だけでなく精神的な痛みや疲れも栄養を変えれば大抵は改善してしまいます。もしあなたがどこへ行ってもよくならない、痛みを抱えておられるのであれば当院へ一度、お越しください。