セルシン（一般名：ジアゼパム）は、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬として、多くの方が「不安感」「緊張」「不眠」などに対処するために処方されています。即効性があり、筋弛緩作用や鎮静作用もあるため、急性の不安発作やストレスによる体調不良、さらには手術前の前投薬などにも広く使われています。
一方で、セルシンのようなベンゾジアゼピン系薬剤には、長期使用による依存性、離脱症状、日中の眠気や倦怠感などの副作用が指摘されており、使用しているご本人は「このままで大丈夫なのか」「薬を減らせる方法はないのか」といった不安を抱えることも少なくありません。
今回は、セルシンを服用している方が抱えやすい悩みに対して、鍼灸・東洋医学がどのように寄り添えるのか、そして西洋医学と併用することで得られる相乗効果について、杉本接骨鍼灸院の視点からお伝えします。
■ セルシンを服用している方が抱える主な悩み
セルシンを継続的に使用している方には、以下のような声が多く聞かれます。
- 精神的な緊張や不安感が強く、薬が手放せない
- 急に服用をやめると不安や不眠がぶり返す
- 日中の眠気や集中力低下に悩まされている
- 将来的な依存や離脱症状への不安がある
- 症状が改善しても再発が怖くてやめられない
これらの悩みは、精神面と身体面の両方に影響する問題であり、単に薬だけでコントロールするのは難しい側面もあります。
■ 鍼灸・東洋医学ができること
東洋医学では、心と体は一体と考えます。不安や緊張は単なる「心の問題」ではなく、五臓六腑のバランスの乱れや「気・血・水」の滞りが原因であると見なします。
● 自律神経の調整
セルシンが作用するのは主に中枢神経系ですが、鍼灸では自律神経のバランスを整えることに重点を置きます。特に「心」や「肝」に関連するツボ（例：神門、内関、太衝など）を刺激することで、副交感神経優位の状態をつくり、過緊張を和らげるアプローチが可能です。
● 不眠・焦燥感への対応
「夜眠れない」「ちょっとしたことでイライラする」といった症状には、**陰陽バランスの乱れや血の不足（血虚）**が関係していると考えられます。鍼やお灸で体のエネルギーの流れを整えることで、心の静けさを取り戻すことができます。
● 筋肉の緊張・こわばりへの作用
セルシンには筋弛緩作用がありますが、これは一時的なもので、根本的な改善ではありません。鍼灸では肩こりや背中の緊張、顎のこわばりなど、ストレスが体に現れている部位へ直接アプローチし、筋緊張を緩和します。
■ 西洋医学との併用の意義
セルシンの服用を自己判断で中止することは、非常に危険です。急な断薬はリバウンド的な不安発作や不眠を引き起こすことがあります。そのため、西洋医学の指導のもとで、少しずつ減薬していく過程に鍼灸を併用することが効果的です。
鍼灸により、自律神経や体の緊張状態が整うことで、薬の使用量が自然と減っていくケースもあります。医師と連携しながら、段階的な体質改善と薬の卒業を目指すことが、理想的なアプローチです。
■ 当院でのサポート体制
杉本接骨鍼灸院では、セルシンなどの抗不安薬を使用中の方に対して、次のようなサポートを行っています。
- 丁寧なカウンセリングで精神的背景や生活習慣を把握
- 症状別のツボ刺激（不安・不眠・動悸・緊張に対応）
- 自律神経を整える鍼灸施術
- 食事・睡眠・運動のアドバイス
- 医師との連携を重視したケア方針
当院では、薬の否定や強引な減薬の指導は行っておりません。あくまで、「今の状態を少しでも楽にしたい」「将来的には薬に頼らず過ごしたい」とお考えの方に、寄り添い、伴走するパートナーとしてサポートいたします。
■ 同じ悩みを抱える方へ
セルシンを服用していることは、決して「悪いこと」ではありません。誰もが心と体のバランスを崩す可能性があり、その時に必要なサポートとして薬があるのです。
ただ、その薬が「手放せないもの」になっている場合、「薬を減らすことがゴール」ではなく、「薬に頼らなくても楽に過ごせる状態」を目指してみませんか？
東洋医学には、長年の知恵と経験に基づくアプローチがあります。ひとりで悩まず、ぜひ一度、鍼灸の力を体感してみてください。
杉本接骨鍼灸院
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