爪の表面に縦方向の筋が入って目立つ「爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)」。
加齢とともに現れることが多い症状ですが、乾燥や栄養不足、体調の不調など、さまざまな要因が重なって起こる場合もあります。
病院で処方されたクリームを塗っても改善が見られないときは、原因を根本から見直す必要があります。
爪甲縦条の主な原因
加齢による変化
爪を作る細胞(爪母)は年齢とともに代謝が低下します。
そのため爪が乾燥し、縦方向の筋が増えることは自然な現象でもあります。
乾燥や外的刺激
水仕事や頻繁な手洗い、除光液の使用によって爪の水分が失われると、表面が凹凸になりやすくなります。
クリームで保湿しても内部まで潤わなければ改善は遅れます。
栄養不足
爪はたんぱく質でできているため、たんぱく質や鉄、亜鉛、ビオチン(ビタミンB群)の不足は爪の質を低下させます。
軽い鉄欠乏が見逃されている場合もあります。
皮膚・内科的な病気
乾癬や甲状腺の異常、爪水虫などの皮膚疾患が隠れているケースもあります。
皮膚科での診察だけでは分かりにくい場合もあるため、注意が必要です。
改善のためのポイント
- 爪の保湿と保護を徹底する
- 爪専用オイルやビタミンE配合オイルを朝晩、爪の根元と側面に塗布。
- 水仕事の際は綿手袋+ゴム手袋で二重に保護。
- アルコール入りの除菌剤は控え、手洗い後はすぐ保湿を。
- 栄養をしっかり摂る
- 毎食、良質なたんぱく質(肉・魚・卵・大豆)を意識。
- 亜鉛(牡蠣、牛赤身、ナッツ)、鉄(赤身肉、レバー、ひじき)、ビオチン(卵黄、ナッツ)を積極的に。
- 血液検査で不足があれば、医師の管理下でサプリを活用。
- 爪への負担を減らす
- 爪を短く丸め、爪先で物を開けるなどの癖をやめる。
- ネイルやジェルの長期使用は控える。
- 再診・精密検査を受ける
- 皮膚科で爪母部の病変や甲状腺疾患、貧血などの有無を再評価。
- 爪水虫(爪白癬)がないか確認することも大切です。
- 体の内側から整える
- 十分な睡眠と適度な運動で血流を保ち、爪の成長をサポート。
- ストレスや疲労は爪の代謝低下につながります。
改善のための栄養素
成分 | 目的/役割 | 推奨量の目安* | 注意点・補足 |
---|---|---|---|
鉄分 | 赤血球・酸素運搬能力を保つ → 爪への栄養供給を助ける | 成人女性で月経がある場合 10〜12 mg/日程度が目安。ただし“吸収率”や個人差あり | 鉄の過剰摂取は胃腸障害、鉄過剰症のリスクがあるので、血液検査でフェリチンなどを確認してから。鉄とカルシウム・亜鉛の組み合わせに注意。 |
亜鉛 | タンパク質合成・細胞分裂に関与 → 爪の成長をサポート | 成人男性 10 mg/日、女性 8 mg/日 あたりが推奨量となる目安(日本人の食事摂取基準より) | 亜鉛を過剰に摂ると銅欠乏、胃腸不調、下痢などの副作用がある。亜鉛と鉄との吸収競合にも注意。 |
ビオチン(ビタミン B7) | ケラチン(爪・髪の主成分)の代謝を助ける | 通常 50 µg/日 程度。ただし多くのサプリは数百 µg〜mg 単位で配合されているものも | ビオチンは水溶性で過剰症は比較的起こりにくいとされるが、他のビタミンとのバランスを壊す可能性も。 |
その他(補助成分) | ビタミンC(鉄の吸収を助ける)、ビタミンE、B群、システイン、コラーゲン、ケラチンなど | 補助的に配合されているものを選ぶ | 単体では効果が薄いため、バランス型サプリや多成分配合型が現実的。 |
まとめ
爪甲縦条は加齢による自然現象である一方、乾燥・栄養不足・内科的な不調が関与することもあります。
クリームだけでは改善しにくいため、保湿の強化・栄養補給・生活習慣の見直しを同時に行うことが重要です。
改善が乏しい場合は、皮膚科や内科で再検査を受け、隠れた病気がないか確認しましょう。
院情報
🏥 杉本接骨鍼灸院
大阪府八尾市恩智中町1-35-1-103
072-943-6521
https://yao-diet.com/