
乾癬は皮膚だけの病気ではありません。
現在では慢性的な炎症性疾患であり、免疫・肥満・生活習慣・栄養状態などが関係することが分かっています。
では、「栄養で乾癬は改善するのでしょうか?」
今回は、現在のエビデンスと栄養療法の考え方を分けて整理します。
ビタミンDは乾癬に効果がある?
エビデンス:★★★★☆
乾癬患者では、ビタミンD不足が多いことは、多くの研究で報告されています。
2023年のシステマティックレビュー・メタアナリシスでは、
- 乾癬患者は健常者より血中ビタミンD濃度が有意に低い
ことが示されました。
一方で、
「ビタミンDサプリメントを飲めば乾癬が改善する」とまでは現時点では証明されていません。
皮膚科では、ビタミンD誘導体の塗り薬は標準治療として広く使用されています。
三石巌先生は乾癬をどう考えていた?
三石巌先生は、
乾癬を
「皮膚だけの病気ではなく、体全体の代謝異常」
と考えていました。
そのため、
- 高タンパク食
- ビタミンB群
- ナイアシン
- ビタミンC
- ビタミンE
などを十分に補い、
皮膚細胞の代謝を改善することを重視していました。
ただし、
この考え方は、生化学や臨床経験をもとにした理論であり、
現在の大規模臨床試験で十分に検証されているわけではありません。
藤川徳美先生の考え方
藤川徳美先生は、
三石理論を基礎として
- 高タンパク
- 鉄
- ビタミンB群
- ナイアシン
- ビタミンC
などを重視しています。
乾癬を専門に解説した書籍はありませんが、
慢性炎症性疾患全般では
栄養不足の改善が重要
という立場です。
現時点では、
乾癬に対するメガビタミン療法を支持する十分なエビデンスはありません。
海外では何を勧めている?
現在の海外論文で比較的支持されているものは次の通りです。
★★★★★
体重管理・肥満改善
肥満は乾癬を悪化させることが知られています。
★★★★☆
地中海食
- 野菜
- 果物
- オリーブオイル
- 青魚
- 豆類
中心の食事は炎症を抑える可能性があります。
★★★★☆
EPA・DHA
青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸は、
炎症を抑える作用が期待されています。
ただし、
研究結果にはばらつきがあります。
★★★☆☆
プロバイオティクス
腸内細菌と乾癬の関係が研究されていますが、
まだ十分な結論は出ていません。
避けた方が良い食生活は?
現在のエビデンスでは
次のような生活習慣が乾癬悪化と関連しています。
- 肥満
- アルコールの多飲
- 超加工食品中心の食生活
- 喫煙
これらは炎症を強める可能性があります。
現時点での栄養ランキング
| 栄養・食事 | エビデンス |
|---|---|
| 体重管理・減量 | ★★★★★ |
| ビタミンD不足との関連 | ★★★★★ |
| 地中海食 | ★★★★☆ |
| EPA・DHA | ★★★★☆ |
| プロバイオティクス | ★★★☆☆ |
| 亜鉛・セレン | ★★☆☆☆ |
| ナイアシン・ビタミンB群 | ★★☆☆☆(理論・症例報告はあるが十分な臨床試験は不足) |
まとめ
乾癬は皮膚だけを治療する病気ではありません。
現在の医学でも、
- 肥満改善
- 食生活の見直し
- ビタミンD不足への配慮
など、全身の健康管理が重要視されています。
一方で、
三石巌先生や藤川徳美先生が提唱するメガビタミン療法は、生化学的な理論や臨床経験に基づく考え方として興味深いものですが、乾癬に対する有効性については、現時点では質の高い臨床研究による十分な裏付けはありません。
そのため、乾癬でお悩みの方は、皮膚科での標準治療を継続しながら、栄養・睡眠・運動・体重管理など生活全体を見直すことが、現時点で最も根拠に基づいたアプローチと言えるでしょう。
参考文献
- Vitamin D Status in Patients with Psoriasis: Systematic Review and Meta-analysis(2023)
- Oral Vitamin D Supplementation for Psoriasis: Systematic Review and Meta-analysis(2023)
- American Academy of Dermatology Guidelines for Psoriasis
- 近畿大学病院「尋常性乾癬の治療」
- Kobayashi Clinic「乾癬のビタミンD治療について」
- J-GLOBAL「乾癬患者の栄養療法」


