「眠ることはできるのですが、夜中に何度も目が覚めます」
このようなお悩みで、八尾市にある杉本接骨鍼灸院へ来院された50代女性の症例をご紹介します。
この方は、布団に入ると比較的早く眠れるものの、夜中に2回、3回と目が覚めていました。目が覚めた後、すぐに眠れる日もあれば、そのまま時計を見ながら長い時間を過ごす日もあったそうです。
朝になると、眠ったはずなのに身体が重く、頭もすっきりしません。日中は眠気や集中力の低下があり、夕方になると肩や首のこりも強くなっていました。
夜中に目が覚めることを「中途覚醒」といいます。ただし、夜中に一度目が覚めただけで、すぐに病気というわけではありません。問題になるのは、何度も目が覚める状態が続き、朝の疲労感や日中の眠気、集中力の低下などにつながっている場合です。
今回の症例では、睡眠だけを見るのではなく、生活リズム、更年期に伴う身体の変化、呼吸、首や背中の緊張、自律神経の状態まで確認しました。
夜中に何度も目が覚めていた原因
カウンセリングで詳しく伺うと、夜中に目が覚めるようになったのは数年前からでした。最初は週に数回程度でしたが、次第にほぼ毎晩目が覚めるようになっていました。
仕事や家事で一日中気を張ることが多く、夜になっても頭の中で翌日の予定を考えてしまいます。寝る直前までスマートフォンを見る習慣もあり、目が覚めると時間を確認するために画面を見ることもありました。
身体を確認すると、肩や首だけでなく、背中からみぞおち付近にかけて強い緊張がありました。呼吸も浅く、深く息を吸おうとすると肩が大きく持ち上がっていました。
本来、眠っている間は身体を休ませる働きが優位になります。しかし、日中の緊張が夜まで続いていると、身体が休息へ切り替わりにくくなります。
また、50代女性では更年期に伴うホルモンバランスの変化も無視できません。ほてり、寝汗、動悸、気分の変化などがあると、睡眠の途中で目が覚めやすくなることがあります。
今回の方にも、日によって身体が熱く感じることや、夜中に汗をかいて目が覚めることがありました。そのため、単純に「寝つきが悪い」「睡眠時間が短い」という問題ではなく、更年期の変化、日中の緊張、浅い呼吸、生活リズムが重なっていると考えました。
中途覚醒と一緒に出ていた症状
この方には、夜中に目が覚める以外にも、次のような症状がありました。
- 眠っても疲れが取れない
- 朝から身体が重い
- 日中に眠気を感じる
- 仕事や家事に集中しにくい
- 首や肩がいつもこっている
- 呼吸が浅く、ため息が増えた
- 夜になると身体がほてる
- 些細なことでイライラしやすい
- 休日も早い時間に目が覚める
中途覚醒には、ストレスや生活習慣だけでなく、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、頻尿、痛み、薬の影響、アルコール、更年期障害、甲状腺疾患、うつ状態などが関係している場合もあります。
大きないびき、睡眠中の呼吸停止、起床時の強い頭痛、日中に耐えられないほど眠い、運転中に眠くなるといった症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群などの確認が必要です。
動悸や息苦しさ、急激な体重変化、強い気分の落ち込みなどが続く場合も、医療機関へ相談してください。
夜中に目が覚める状態を放置するとどうなる?
夜中に目が覚めても、朝にすっきり起きられ、日中も問題なく過ごせているのであれば、必要以上に心配することはありません。年齢とともに睡眠が浅くなり、夜中に目が覚めやすくなることもあります。
一方で、何度も目が覚める状態が長く続き、日中の生活に影響が出ている場合は、睡眠時間だけでなく睡眠による休養感を見直す必要があります。
「今夜も目が覚めるかもしれない」と考えながら布団に入ると、眠ること自体がプレッシャーになります。夜中に目が覚めるたびに時計を確認すると、「あと3時間しか眠れない」「明日の仕事に響く」と焦り、さらに目が覚めてしまいます。
また、眠るためにお酒を飲む方もいます。アルコールは一時的に眠気を感じやすくしますが、睡眠の後半が浅くなり、夜中に目が覚めやすくなる場合があります。
中途覚醒を我慢し続けるのではなく、何が睡眠を妨げているのかを一つずつ確認することが大切です。
夜中に目が覚める方のセルフケア
セルフケア1 起きる時間を一定にする
眠れなかった翌日は、少しでも長く寝ていたくなります。しかし、起床時間が毎日大きく変わると、身体のリズムも乱れやすくなります。
まずは、寝る時間よりも起きる時間をできるだけ一定にしてください。休日も平日との差を大きくしすぎず、起きたらカーテンを開けて朝の光を浴びます。
朝の光は、身体に一日の始まりを知らせる合図になります。朝食を取り、日中に身体を動かすことも、夜の眠気につながります。
セルフケア2 目が覚めても時計を見ない
夜中に目が覚めたとき、時計を見る習慣がある方は多いです。しかし、時間を確認すると、残りの睡眠時間を計算して焦りやすくなります。
時計やスマートフォンは、寝たままでは見えない位置に置いてください。スマートフォンの光や情報は脳を刺激するため、目が覚めても画面を見ないようにします。
眠ろうと頑張りすぎる必要はありません。ゆっくり息を吐き、肩やあごの力を抜きます。それでも眠気が戻らない場合は、一度寝床を離れ、暗めの静かな場所で過ごし、眠気が出てから戻る方法もあります。
セルフケア3 寝る前に呼吸と身体の緊張を整える
寝る直前まで仕事や家事をしていると、身体が活動状態のまま布団へ入ることになります。就寝前の30分は、眠るための準備時間として使ってください。
椅子に座り、鼻から軽く息を吸い、口から細く長く吐きます。吸うことよりも、吐く時間を少し長くするのがポイントです。5回から10回程度、無理なく繰り返してください。
入浴は、熱すぎるお湯を避け、就寝直前ではなく少し時間を空けます。カフェインを含むコーヒー、緑茶、エナジードリンクなどは、夕方以降の摂取量を見直してください。
厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023でも、光、温度、音などの睡眠環境、適度な運動、嗜好品との付き合い方、睡眠による休養感を見直すことが示されています。
当院で大切にしている考え方
杉本接骨鍼灸院では、夜中に目が覚めるというお悩みに対して、睡眠時間だけを確認することはありません。
何時に寝て何時に起きているのか、何回目が覚めるのか、目が覚める時間は決まっているのか、寝汗やほてりはあるのか、いびきはあるのか、日中の眠気はどの程度かまで伺います。
そのうえで、首や背中の緊張、呼吸の深さ、冷えやほてり、胃腸の状態、仕事や家庭でのストレス、更年期に伴う身体の変化などを確認します。
今回の方は、肩や首だけでなく、呼吸に関係する胸まわりや背中にも強い緊張がありました。そのため、鍼では首、背中、手足の反応を確認しながら、その日の体調に合わせて刺激量を調整しました。
整体では、強く押したり無理にひねったりするのではなく、胸郭や肩甲骨が動きやすくなるように整え、自然に呼吸が入りやすい状態を目指しました。
ただし、鍼や整体だけですべての中途覚醒に対応できるわけではありません。睡眠時無呼吸症候群、更年期障害、甲状腺疾患、精神的な不調などが疑われる場合は、医療機関での検査や治療が必要です。
当院では、睡眠だけを無理に変えようとするのではなく、身体が夜に休息へ切り替わりにくくなっている背景を一緒に確認することを大切にしています。
まとめ
夜中に何度も目が覚める場合、単に「年齢のせい」「眠りが浅い体質」と決めつける必要はありません。
今回の50代女性では、日中の緊張、首や背中の硬さ、浅い呼吸、寝る前のスマートフォン、更年期に伴うほてりなどが重なっていました。
中途覚醒を減らすためには、起床時間を整える、朝の光を浴びる、日中に身体を動かす、夕方以降のカフェインや飲酒を見直す、夜中に時計を見ないなど、生活の中で取り組めることがあります。
それでも中途覚醒が続き、朝の疲労感や日中の眠気、集中力の低下が強い場合は、原因を一度確認してください。大きないびきや呼吸停止、強い気分の落ち込みなどがある場合は、医療機関への相談が優先されます。
夜中に目が覚める理由は一人ひとり違います。ご自身の睡眠や身体の状態について気になることがありましたら、公式LINEからお気軽にご相談ください。
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院情報
杉本接骨鍼灸院
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