この記事でわかることは以下の3つです
- 認知症への鍼施術の効果
- 海外では投薬以外の認知症の改善研究が進んでる
- 認知症予防・改善のプログラム
ハリ治療って胡散臭いですよね。
ぼけ封じのツボって、東洋医学ではあるんですよ。
はりきゅうの施術っていうと、その方法より施術者が胡散臭いっていうハードルが高い。
なんかこの人の言ってること「嘘くさいな・・・」って思われるような雰囲気を持ってる人が多い。そんなことないんですけどね。多くの人にとって馴染みがないだけです。
海外では鍼灸、特にハリによる治療の効果は認めれています。中でも、日本のはりきゅう治療は中国や韓国のそれよりも繊細で、痛みが少ないと言うことで広がりつつあります。
この記事では、認知症に対するハリ施術の効果の可能性を示唆している論文とそれらを取り入れた認知症改善、予防プログラムの紹介をしています。
スペインでの報告|認知症と鍼治療の関係
認知症治療において、スペイン・エストレマドゥーラ大学のJuan Rodriguez-Mansilla氏らは、Clinical rehabilitation誌オンライン版(2014年10月16日号)で、認知症とうつ病の施術で耳つぼの効果があるという研究結果を報告しています。
67歳から91歳の患者111人を対象に5ヶ月に渡って行われた研究です。患者のうち86人は女性。1ヶ月ごとの結果をとりました。*1
測定方法は『DOLOPLUS-2』、『Cornell and Campbell』という試験を用いた。*2
耳つぼ施術をしたグループとマッサージを施術したグループでは、耳つぼの施術をした方がうつ病と痛みの改善がみられた。
もっとも顕著に得られた結果は、3ヶ月以上の耳つぼの施術を受けたグループにおいて不安やうつ状態の改善がみられた。
『DOLOPLUS-2』とは、各項目によって点数をつけられる客観的に判定できるとして世界で多く使われています。
中国での報告|海馬への刺激が認知機能を改善する可能性
他にも、中国の研究によって、はりの施術による刺激が認知機能を回復することがわかっています。これはツボにはり刺激を加えることにより、認知機能を司る「海馬」の機能が回復するという者です。「海馬」の脳内の情報を伝達する物質であるドーパミンの受容体が活発になるということです。*3
他にも、はり刺激や鍼灸治療によって、認知機能の改善を解明するための研究がたくさん進められています。今後、認知症に鍼灸治療の効果が発揮する仕組みが明らかにされれば、認知症も治らない病気ではなくなる日がくると思います。
認知症を予防・改善するプログラムとは
以上のことを踏まえて、当院での認知症予防、改善のプログラムは・・・
・栄養指導
- 脳内のドーパミンの量を増やす
- 本体もつ自然治癒力をあげる
- 血管の柔軟性を取り戻す
- 糖質からケトン体体質にする
- 肥満、糖尿病の解消
・鍼灸治療
- ドーパミン受容体の活性化
- 自律神経バランスを整える
- 血流をアップする
- 自己免疫力をアップする
・整体
- 頭蓋、骨盤、背骨を整える
- 自律神経バランスの調整
- 姿勢の矯正
- 筋力のアップ
認知症をチェックするための検査法
各ページへ飛んで、ダウンロードなさってください。
かな拾いテストはこちら「かな拾いテスト」
金子 満雄「老人痴呆の正しい知識」 南江堂
https://www.chiba.med.or.jp/personnel/nursing/download/text2012_5.pdf
MMSEテスト(認知能 Mini-Mental State Examination)
https://www.chiba.med.or.jp/personnel/nursing/download/text2012_20.pdf
森 悦郎他:神経疾患患者における日本語版 Mini-Mental State テストの有用性..臨床心理学 1985;1:2-10
まとめ
認知症には予防が何よりですが、高齢者の家族がいらっしゃるなら、一番は家族の寄り添いです。特に、高血圧、高血糖などを持病としてお持ちの場合は、気をつけてあげてください。降圧剤、血糖を下げる薬などは根本原因を解決しているわけではありません。
血液検査では、安定した数字が出ていても安心してはいけません。まずは自分の健康は自身で守る、家族の健康は家族が守るという意識を持ちましょう。医師に依存しすぎていませんか。
参考文献
*1
PubMed「The effects of ear acupressure, massage therapy and no therapy on symptoms of dementia: a randomized controlled trial.」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25322869
*2
J-STAGE 科学技術振興機構「Introduction of the Japanese DOLOPLUS-2: A Behavioral Pain Assessment Scale for Elderly with Verbal Communication Disorders」Chiaki Ando、https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspm/11/3/11_910/_html/-char/en
*3
PubMed「Acupuncture Attenuated Vascular Dementia-Induced Hippocampal Long-Term Potentiation Impairments via Activation of D1/D5 Receptors.」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28289242