ダイエット中にはお酒は禁止!
そんなことを言われて、ダイエットを断念した人も多いはず。
でも、なんでお酒がダイエットに悪いのか?と言われると・・・「なんで?」となりませんか?
糖質の含有が少ない、ウィスキーや焼酎ならよくて、日本酒やビールは悪いなんてことも言われます。この記事では、アルコールとダイエットの関係を明らかにして、あなたのダイエットの成功を後押しします!
ダイエット中にお酒がよくない理由とは?
お酒が太る理由
- お酒をたくさん飲むと、アルコールを分解するための酵素が働く。
- 酵素が作り出す物質(NADHなど)は、エネルギーをたくさん持っている。
- 体がエネルギーが十分だと判断してしまい、脂肪を蓄えるスイッチが入ってしまう。
- さらに、炭水化物などを一緒に摂取するとインスリンが分泌され、さらに脂肪がたまりやすくなる。
アルコールの代謝を知っておく
(図1)肝細胞におけるアルコール代謝経路
アルコールの主成分はエタノールという物質です。アルコールを飲むとエタノールは肝臓で酸化されて酢酸(図1)に変わります。
そして酢酸は血中に入り、主に筋肉でTCA サイクルに入り込みATPの材料となって最終的に酸化炭素と水になり完全に分解します。
筋肉が多い人は酢酸の処理能力が高いのでアルコールの分解に有利に働きます。筋肉質な人がお酒に強い傾向にあるはずです。しかし、みんながみんなそうではありません。
この差はどこからくるのでしょ?
アルコールで太りやすくなる理由とは
図1の通り、アルコール脱水素酵素やアルデヒド脱水素酵素が働くと大量のNADH2やNADPHが発生してしまいます。これらは大量のエネルギーを蓄えていて、体は十分にエネルギーがあると判断してしまいます。
すると、脂肪を合成する酵素が活性化します。
つまり、脂肪が体につきやすくなってしまいます。
しこたま飲みながら、糖質量が増えたり、シメのお茶漬けやラーメンなどを食べると血糖値が上がり、インスリンが分泌され、脂肪合成酵素を活性させてしまいます。
『体感的に飲んだ後のラーメンはダメ。』というのは、当たっていて、脂肪合成を加速させてしまいます。
「おまけ」お酒の強さと酵素の関係
お酒の強さの差の原因の一つとして、エタノールが酢酸になるまでにあります。
エタノールはまずアセトアルデヒド(図)になり、それから酢酸になります。アセトアルデヒドは毒性が高い物質です。
お酒を飲むと、弱い人なんてすぐに顔が赤くなりますよね。ひどい時は、頭が痛くなったり、吐いたりします。
これらはアセトアルデヒドの作用。
エタノールがアセトアルデヒドに分解される際には、アルコール脱水素酵素(ADH)が必要で、さらにアセトアルデヒドは、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって分解されます。
これらの酵素が少ない人が、お酒に弱いということになります。
酵素を増やせばお酒が強くなる?
ADH、ALDHの2つの酵素は、どちらもNADを材料として作られます。
NADはナイアシンから作られ、アセトアルデヒドを分解する際の補酵素として働きます。
なので、ナイアシン(ビタミンB3)を十分に摂取すると、アルコール、アセトアルデヒドの分解を助けることができます。
飲み会などが続くなら、ナイアシンの摂取を考えてみては?🙂
またアルコール脱水素酵素は肝臓と胃にも存在しますので、胃の調子が悪い時には、酵素の働きも悪くなりますので、飲酒を控える方がいいですね。
まとめ
お酒をたくさん飲むと、アルコールを分解するための酵素が働く。
酵素が作り出す物質(NADHなど)は、エネルギーをたくさん持っている。
体がエネルギーが十分だと判断してしまい、脂肪を蓄えるスイッチが入ってしまう。
さらに、炭水化物などを一緒に摂取するとインスリンが分泌され、さらに脂肪がたまりやすくなる。
お酒の量も、お酒の種類も、一緒に食べる食事の内容も考えて、楽しく飲みましょう🙂