発酵に関わる微生物
発酵に関わる細菌の代表的なものは以下の5つ
乳酸菌
納豆菌
麹菌
酵母菌
酢酸菌
これらは顕微鏡でしか見れないほどの微生物です。
これらの微生物は食材の糖分、デンプン、タンパク質などを分解・合成して新しい成分を生み出します。
この過程(代謝)を発酵と言います。
それぞれについては以下に説明します。
乳酸菌
100種類以上存在し、動物性乳酸菌と植物性乳酸菌に分けられる。
味噌、しょうゆ、漬物、ワイン、日本酒、パン、チーズやヨーグルトなどを製造する際に広く使われています。
「動物性乳酸菌」:牛乳などの動物の乳に含まれる。ビフィズス菌、ヤクルト菌、LG21、KW乳酸菌、コッカス菌など。
「植物性乳酸菌」:植物の葉や果物の表皮に存在します。
納豆菌
稲わらに存在する枯れ草菌を納豆菌と呼んでいます。
蒸した大豆にこの菌を発酵させると、大豆に含まれるアミノ酸やビタミン類が増えて納豆になります。
納豆に含まれるビタミンKの働きはこちら→https://yao-diet.com/2020/09/03/vitamink/
麹菌
デンプンをブドウ糖に、タンパク質をアミノ酸に分解したり、ビタミンの生合成をます。
糸状菌の一種で、穀物(米や大豆など)を煮たり、蒸したりする際に、繁殖します。
糸状菌とはカビと呼ばれる糸状の菌で、きのこ類もこれに分類されます。
酵母菌
ブドウ糖を原料にして、アルコールを作り出します。ビール、清酒、ワイン類に分けられます。味噌、パン、醤油などにも使われています。
酢酸菌
代表例は「お酢」の醸造に使われます。
酢の簡単な製造過程は
蒸米に麹を入れて発酵すると「もろみ」
「もろみ」に酢酸菌を入れると「酢」
原料
米→「米酢」
りんご→リンゴ酢
ワイン→ワインビネガー
酢酸にはアミノ酸や有機酸が豊富に含まれていて、疲労回復や血圧の上昇を抑制させる効果があります。
長寿遺伝子を活性化する発酵食品とその食べ方
長寿の遺伝子「サーチュイン遺伝子」
寿命や病気にかかる傾向などは遺伝だけが要因ではありません。むしろ環境による影響が強いです。
その割合はおおよそ、遺伝が25%、環境が75%だと言われています。
逆に、寿命を延ばす「サーチュイン遺伝子」がみつかっています。この遺伝子がONになると、100種類ほどの老化に関係する因子を抑制します。
赤ワインのポリフェノール「レスベラトロール」
サーチュイン遺伝子は、飢餓やカロリー制限によって活性化されます。他に赤ワインに多く含まれるポリフェノールの一種、レスベラトロールによって活性化されます。
ただし、1日にボトル100本前後飲まないといけない計算になるので非現実的です。
アメリカではレスベラトロールのサプリメントの売り上げが爆上がっています。
空腹がサーチュイン遺伝子をONにする
ウィスコンシン大学でのアカゲザルの研究では、低カロリー、空腹のグループの猿で、寿命が20〜30%延びる結果が報告されました。
摂取カロリーを制限することが、老化を進める活性酸素の発生を抑え、長寿遺伝子を活性化させることもわかっています。
細胞分裂のスピードも老化の原因に
細胞は常に新陳代謝を繰り返して、新しくなります。細胞分裂と言いますが、その回数には限度があります。
生物の遺伝情報が収納されている染色体DNAの両端には、テロメアと呼ばれる構造があります。
染色体を保護する役割を担っていて、細胞分裂するたびにテロメアDNAは少しずつ短くなります。
テロメアが短くなるにつれ、細胞分裂の回数が減り、やがて分裂しなくなります。
テロメアについて詳しくはこちら↓
https://yao-diet.com/2020/05/20/glutathione/