「腸」のイメージ変わりつある?
「腸」というと、食べたものを消化吸収する臓器というイメージが強いです。
最近の研究では、腸内細菌のDNA解析が進んで、未知の領域だったことがわかってきています。
カラダ全体の免疫細胞の6〜7割が腸内に存在します。
腸内の神経細胞は約1億個もあり、全身とネットワークで繋がっていて、腸自ら判断して影響を与えていて、「第二の脳」と言われるほどの機能を持っています。
さらにそのネットワークによって、脳すらコントロールしてる可能性も示唆されています。
脳の機能をまとめると
免疫系
内分泌系
神経系
①免疫系
腸は人体最大の免疫器官とよばれます。
私たちの消化管は口から肛門までひ筒状のホースのような形状です。
腸は体内にありますが、腸粘膜、腸壁などの内側は外界に曝されています。内なる外と言えます。
そのため、腸は食べ物の消化吸収だけでなく、細菌やウイルスなどの病原体と接する臓器なので、外部からの攻撃に対応しています。
これを免疫系といいます
腸には体全体の6〜7割以上の免疫細胞が存在し、腸管免疫系という独自の免疫系が発達している。
人体最大の免疫器官と呼ばれる所以です。
②内分泌系
ホルモンの分泌にも関わっています。
腸には、このホルモンを分泌する腸管内分泌細胞という細胞が存在しています。
内分泌器官としての役割も担っています。
「空腹感」も腸から分泌される食欲を促すホルモンが脳に「空腹だよ」と伝えることで起こります。
他にも体の恒常性を保つためのホルモン分泌に関わっています。
③神経系
腸には、脳からの指令が無くても独自で考えて、活動することができます。
脳と同じように外部からの情報を処理し、伝達できるということ。
脳と同じように、情報の処理と情報を伝達する神経細胞が存在し、その数は脳や脊髄に次いで多く存在しています。
さまざまな種類の神経細胞が存在し、網のように広がっており、腸管神経系と呼ばれる「神経ネットワーク」が発達しています。
なぜ腸は高性能な機能を持っているのか?
腸は体内にあって、直接、外の世界に晒されています。
そして、外の世界からやってくる食べ物や有害な細菌などを体の中で処理しなければならない場所です。
つまり、腸はさらに体内に取り込んであらゆる場所へ送り出す直前に、チェックをするという重要な役割があります。
健康な心身作りは、腸から始まります。
まとめ
腸はあらゆる臓器と繋がっていて、特に脳とは、迷走神経を通じて「脳腸相関」とよばれる双方向に影響し合う関係にあります。
緊張するとお腹が痛くなるのがその一例。
うつ、認知症なども腸内環境の悪化が一因として考えられています。
ガンやアレルギー、肌荒れの原因にも腸内環境が関わっているとも言われています。
だからこそ、心身ともに健康になるためには、腸内環境を整えることも有効な手段となります。