ナイアシン(ビタミンB3)はとても重要な栄養素の一つです。
サプリメントとして、ナイアシンはコレステロールを下げ、関節炎を和らげ、脳の機能を高めるのに効果が期待されています。しかし、使用上の注意を守る必要がありますし、大量に服用すると副作用をおこしてしまう可能性もあります。
この記事では、ナイアシンについて理解しておくべきことを説明します。
「ナイアシン」って何?
ナイアシンは8種類あるビタミンB群のうちの1種で、ビタミンB3とも呼ばれています。
ニコチン酸、ナイアシンアミド、ニコチンアミドとしても知られています。
参考までに、「ビタミンB群」 と呼ばれているものには、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6(ピリドキシン)、バタミンB12(シアノコバラミン)、およびナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸の8つです。
ニコチン酸とナイアシンアミド
ナイアシン(ビタミンB3)には、「ニコチン酸」と「ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド、ニコチンアミド)」の主に2つの化学形態で食品やサプリに含まれています。
それぞれが異なる作用をもちます。
2つの種類は以下の通り
ニコチン酸:
ニコチン酸には、コレステロール値を下げ、心臓病のリスクを下げる効果が期待できます。
サプリメントとして使用されるナイアシンの一種です。
ナイアシンアミド(ニコチンアミド)
ナイアシンアミドはコレステロールを低下させる作用がありません。
ただし、皮膚の乾燥や荒れを、未然にセーブする効果があると考えられます。加えて、水に溶けやすいため、化粧水や美容液にも高配合が可能な成分です。
ナイアシンアミドは、美白成分としても有効で、メラニンが表皮細胞に受け渡されるのを抑制する作用があるとされています。
厚生労働省が、医薬部外品(薬用化粧品)の有効成分として承認しています。
局所に使用したり、サプリメントとして経口摂取すると、皮膚の炎症を抑える作用があることが示されています。
乾癬やにきびなどの皮膚の状態を治療するために使用されています。
ナイアシンの働きとは?
他のビタミンBと同様に、ナイアシンは酵素を補助することで栄養素をエネルギーに変換する際の代謝の補助をします。
特に、ナイアシンは、細胞代謝に関与する2つの補酵素であるNADおよびNADPの主要な成分です。
リボフラビン(ビタミンB2)と同じく、抗酸化作用もあります。
細胞間のシグナル伝達およびDNAの修復にも大きな役割を果たしています。
欠乏すると
そもそもナイアシンはビタミンPPとも呼ばれます。「PP」とはpellagra preventiveの頭文字を撮ったもので、ペラグラ予防因子を意味します。
ペラグラとは、ナイアシン欠乏に加えて日光に当たると起きます。
ペラグラの典型的な症状として、まず光線過敏症と顔に左右対称の赤い発疹が出ます。
その後、消化管へ影響が現れます。
結果、吐き気や嘔吐、便秘もしくは下痢などの症状が現れます。
舌や口などの粘膜に口内炎が生じたり、喉や食道にも炎症が広がってしまいます。
症状が悪化すると、疲労、不眠、無感情を経て、脳の機能不全にまで至ってしまいます。
錯乱、見当識の喪失、幻覚を見たり、健忘などが現れ、最悪の場合死に至ることもあります。
ナイアシンの不足する際には、他にも、亜鉛、鉄、ビタミンB2、B6などの栄養素も不足していることが多く、ペラグラを発症するリスクが高くなってしまいます。
先進国では欠乏症は稀ですが、食料が不足していると後進国では欠乏症が起こります。
以下は、ナイアシン欠乏症の症状の一部です。
ナイアシン欠乏症
記憶喪失
精神的混乱
疲労
うつ病
頭痛
下痢
皮膚の問題
ナイアシンの必要摂取量は?
必要なナイアシンの量は、厚労省によると以下の表の通り。
ナイアシンの治療用量は推奨量よりも多く、医師の監督下でのみ摂取する必要があります。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/11/dl/s1125-6g2.pdf より引用
ナイアシン・サプリメントの種類
ナイアシンのサプリメントにはいくつか種類があります。
ナイアシン
含有量が多くて、フラッシュが起きます。フラッシュは通常、数時間で収まりますが、中には2週間以上も続く人。発熱する人などいますので、摂取する際は使用上の注意を守って自己責任でお願いいたします。
ナイアシン フラッシュミニマイズド
できるだけフラッシュを抑えたナイアシンです。それでも体調や体質などによりフラッシュを感じることがありますので、くれぐれもご注意ください。
ナイアシンアミド
基本的にはフラッシュは起きませんが、使用上の注意は守ってください。