肝臓癌と言えばこれまでは肝炎ウィルス(B型やC型)に感染することで罹患することがほとんどだと考えられてきました。
しかし、最近は脂肪肝から肝硬変、そして肝臓癌に進行してしまうケースもあることが分かってきました。
脂肪肝とは?
脂肪肝とは肝臓に中性脂肪が溜まった状態のことをいいます。
脂肪肝といえば、アルコールの過剰摂取が原因として想像しやすいですが、アルコール以外の原因もあり、NAFLD(nonalcoholic fatty liver disease、非アルコール性脂肪肝疾患)と呼ばれます。
NAFLD(ナッフルディー)の8割〜9割は炎症や線維化を伴わない脂肪肝で「単純性脂肪肝」と呼ばれています。
飲酒を伴わない肝疾患
アルコール以外の原因でも肝臓内に脂肪蓄積が起こり、「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」という慢性炎症の原因となります。
「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」は、NFLDの状態で、酸化ストレスや炎症性サイトカイン(TNF-αなど)の暴露、さらには腸内細菌の毒素であるLPS(lipoplysaccharide:リポ多糖)のようなエンドトキシンの暴露などで起こってしまいます。
NASH(non-alcoholic steatohepatitis)は、栄養過多により発症し、国内での罹患者は300〜400万人存在しているとされています。
腸内細菌と肝臓がん
腸内で悪玉菌が増殖すると、リポ多糖(LPS) という毒素を生み出します。
LPS が血流に乗って、運動不足などによる脂肪肝に到達することでNASHを引き起こす原因となります。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)のうち、5〜20%は肝硬変へ進行し、肝臓がんのリスクが高くなってしまいます。
脂肪肝に陥ってしまうような腸内環境では、他のがんの原因となる悪玉菌も増えてしまうのでさらに病気やがんのリスクが高くなってしまいます。
まとめ
お酒を飲まないから脂肪肝にならないということはありません。
普段から動物性脂肪の過剰摂取や運動不足だとNAFLD(nonalcoholic fatty liver disease、非アルコール性脂肪肝疾患)のリスクが高くなる意識が必要です。