「朝、目覚ましが鳴っても身体を起こせません」
「寝たはずなのに、朝から身体が重いです」
「午前中は頭がぼんやりして、なかなか動けません」
カウンセリングで、このようなお悩みを伺うことがあります。
朝起きるのがつらいと、「自律神経が乱れているのでしょうか」と心配になる方も多いです。
確かに、睡眠と覚醒の切り替えには、自律神経や体内時計、ホルモン、体温の変化などが関係しています。
ただし、朝のつらさをすべて自律神経だけで説明することはできません。睡眠不足、夜中の目覚め、寝る時間のばらつき、運動不足、食事、ストレス、更年期、貧血、甲状腺の病気、睡眠時無呼吸症候群などが関係する場合もあります。
そこで今回は、朝起きるのがつらい方に、当院でもセルフケアとしてお伝えしている百会、足三里、太衝の3つのツボをご紹介します。
ツボ押しだけで朝の不調を解決しようとするのではなく、身体を動かし、生活のリズムを整えるきっかけとして取り入れてください。
朝起きるのがつらくなる原因
朝の身体は、眠っている状態から活動する状態へ切り替わります。
起床前から体温や血圧が少しずつ上がり、身体は一日の活動に向けて準備を始めます。しかし、睡眠の時間や質が足りていないと、この切り替えがうまく進まず、朝の強い眠気や身体の重さを感じやすくなります。
特に注意したいのが、平日と休日で起きる時間が大きく違う生活です。
平日は早起きし、休日は昼近くまで眠る生活を続けると、体内時計がずれやすくなります。日曜日の夜に眠れず、月曜日の朝がさらに起きづらくなる方もいます。
寝る直前までスマートフォンを見る習慣も、眠りへ切り替える時間を遅らせる原因になります。画面の光だけでなく、動画やニュース、SNSなどの情報によって頭が活動状態のままになるからです。
また、日中に身体をほとんど動かしていない方は、夜になっても十分な眠気を感じにくくなることがあります。
夕方以降のカフェイン、寝る前の飲酒、遅い時間の食事なども、睡眠の途中で目が覚めたり、朝に疲れが残ったりする原因になります。
つまり朝のつらさには、睡眠時間、体内時計、光、運動、食事、緊張状態が複雑に関係しています。
朝のつらさと一緒に見られる症状
次のような状態が重なっていないか確認してみてください。
- 目覚ましを何度も止めてしまう
- 起きてから動き出すまで時間がかかる
- 午前中は頭がぼんやりしている
- 朝食を食べる気になれない
- 肩や首が朝から重い
- 夜中に何度も目が覚める
- 休日に長時間眠ってしまう
- 夕方から夜になると元気になる
- 手足の冷えやほてりを感じる
- 日中に強い眠気がある
こうした状態が続く場合、単なる寝不足ではないこともあります。
大きないびき、睡眠中の呼吸停止、起床時の強い頭痛、運転中に眠くなるほどの日中の眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の確認が必要です。
息切れ、動悸、顔色の悪さ、月経量の多さなどがある場合は、貧血が隠れていることがあります。
急激な体重変化、むくみ、強い冷え、気分の落ち込みなどが続く場合も、医療機関へ相談してください。
朝起きるのがつらい状態を放置するとどうなる?
朝のつらさが続くと、起床時間が遅くなり、朝食を抜き、家を出る直前まで慌ただしく過ごすようになります。
その結果、午前中の集中力が落ち、仕事や家事が予定どおり進まなくなることがあります。
日中に眠気があるため身体を動かさず、夕方以降に少し元気になって夜更かしする。この流れが続くと、さらに朝起きにくくなります。
また、「自分はだらしない」「気合いが足りない」と考え、精神的につらくなる方もいます。
朝起きられないことは、意志の弱さだけで起こるものではありません。身体のリズムや睡眠の状態を確認し、変えられる部分から整えていくことが大切です。
朝起きるのがつらい方におすすめのツボ3選
セルフケア1 百会
最初にご紹介するのは、頭の上にある百会です。
百会は、左右の耳の一番高いところを頭の上で結んだ線と、顔の中央を通る線が交わるあたりにあります。頭のてっぺんを指で触り、少しくぼんでいる場所を目安にしてください。
朝、布団の上で身体を起こしたら、中指の腹を百会へ当てます。頭の中心へ向けて、心地よい強さで5秒ほど押し、ゆっくり離します。これを5回程度繰り返してください。
爪を立てたり、強く押し込んだりする必要はありません。押した場所に強い痛みや違和感がある場合は中止してください。
百会を押すときは、背筋を無理に伸ばさず、ゆっくり呼吸します。朝に頭がぼんやりする方が、目覚めの動作として取り入れやすいツボです。
セルフケア2 足三里
2つ目は、膝の下にある足三里です。
膝のお皿のすぐ下にある外側のくぼみから、指4本分ほど下がった場所を探します。すねの骨の外側にある筋肉の上が目安です。
椅子に座り、親指の腹を足三里へ当てます。脚の中心へ向けて、5秒から10秒ほどゆっくり押します。左右それぞれ5回を目安にしてください。
押すと少し響くような感覚が出ることがありますが、強く痛むほど押す必要はありません。
足三里は、朝のセルフケアだけでなく、日中に身体が重いときにも使いやすいツボです。押しながら足首をゆっくり動かすと、ふくらはぎやすねも動かせます。
朝はツボ押しだけで終わらず、その後に立ち上がって少し歩く、背伸びをするなどの動きを加えてください。
セルフケア3 太衝
3つ目は、足の甲にある太衝です。
足の親指と人差し指の骨の間を、足首の方向へ指でなぞります。2本の骨が交わる手前にある、少しくぼんだ場所が目安です。
親指の腹を当て、足の裏へ向けて5秒ほど押します。ゆっくり離し、左右それぞれ5回程度行ってください。
太衝は押すと痛みを感じやすい場所です。痛いほど効果が高いわけではありません。呼吸を止めず、気持ちよく感じる範囲で押してください。
足にけがや炎症、強いむくみ、皮膚の異常がある場合は刺激を避けます。妊娠中や治療中の病気がある方は、事前に医師や鍼灸師へ相談してください。
ツボ押しと一緒に行いたい生活習慣
朝のつらさに対して、ツボを押すだけで生活リズムが整うわけではありません。
最も基本になるのは、起きる時間を大きく変えないことです。休日も平日との差をできるだけ小さくします。
起きたらカーテンを開け、朝の光を浴びてください。厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023でも、起床後に朝の光を浴びることが体内時計の調整につながるとされています。
光を浴びた後は、水分を取り、少し身体を動かします。外へ出られる方は、短時間でも歩いてください。
朝食を食べる習慣も、一日のリズムを作る合図になります。食欲がない場合は、味噌汁、卵、ヨーグルト、果物など、食べやすいものから始めます。
夜は寝る直前まで明るい画面を見続けず、起床時間から逆算して就寝準備を始めてください。
当院で大切にしている考え方
杉本接骨鍼灸院では、「朝起きるのがつらいなら自律神経が原因」と最初から決めつけません。
何時に寝ているのか、途中で目が覚めるのか、いびきはあるのか、休日は何時まで眠るのか、朝食は取れているのかを確認します。
さらに、肩や首の緊張、背中や胸郭の動き、呼吸の深さ、冷えやほてり、運動量、仕事や家庭での負担も見ていきます。
身体が強く緊張し、夜になっても呼吸が浅い方には、首や背中だけでなく、手足の状態も確認しながら鍼を行います。
整体では、強くひねったり押し込んだりするのではなく、胸郭や肩甲骨、骨盤が動きやすくなるように整えます。
鍼やツボ押しについては、睡眠状態への変化を調べた研究があります。しかし、対象者、刺激する場所、期間、評価方法が研究ごとに異なり、現時点ですべての方に同じ結果が出るとは言えません。
そのため当院では、鍼やツボ押しだけに頼らず、朝の光、起床時間、運動、食事、睡眠環境まで一緒に見直します。
まとめ
朝起きるのがつらいときは、単に気合いで起きようとするのではなく、睡眠と身体のリズムを見直してください。
今回ご紹介したツボは、頭の上にある百会、膝の下にある足三里、足の甲にある太衝の3つです。
それぞれ5秒から10秒、心地よい強さで5回程度押します。強い痛みを我慢する必要はありません。
ツボ押しをした後は、カーテンを開けて朝の光を浴び、少し身体を動かしてください。ツボだけではなく、起床時間、睡眠、食事、運動まで含めて整えることが大切です。
朝のつらさが長く続く場合や、強い日中の眠気、いびき、動悸、息切れ、気分の落ち込みなどを伴う場合は、医療機関で原因を確認してください。
朝起きるのがつらい理由は、一人ひとり違います。ご自身の場合は何から見直せばよいのか分からない方は、公式LINEからお気軽にご相談ください。
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