人の腸内住んでいる菌は3万種、1000兆個もあります。
そのバランスは一人一人違いますので、善玉菌といってもその人との相性があります。 目安として、2週間くらい続けてみるとその効果がわかるはずなので、
効果を感じないなら、試行錯誤して自分にあったものを探さないといけません。
乳児期までに決まってしまう腸内環境
感染予防などで過剰な消毒、滅菌は赤ちゃんが獲得できる菌が少ないまま腸内環境が決められてしまいます。
腸内環境は、9歳くらいまでに決定してしまうともいわれています。なので、赤ちゃんの時期にできるだけたくさんの種類の菌を取り込むことが大事です。
腸内細菌の多くは、赤ちゃんが産道を通ってくる際に、お母さんの腸内細菌を受け継いでいるといわれています。お母さんの腸内環境の状態が赤ちゃんの腸の状態にも影響を与えてしまいます。
加齢や生活の乱れによって悪玉菌が増えますので、あなた自身の腸内細菌の特徴を知ることが健康への近道と言えます。
新事実が次々に
腸内細菌の研究は、1981年にオランダの科学者レーヴェンフックさんが、便に存在する菌の観察をしたことから始まったといわれています。
腸内細菌の数は一人に200種、100兆個(全体で3万種、1000兆個)。
重さにすると2キロも占めます。
人の遺伝子の数は約2万個
腸内細菌の遺伝子は330万個
膨大な数の腸内細菌が、生命を維持するための役割や心身の病気の発生や抑制に関わっていることがわかっています。
脂肪が燃焼しやすい、筋肉がつきやすいという身体的な特徴や物静かな性格や活動的な性格などにも影響を与えることも解明されつつあります。
腸内細菌の種類
腸内細菌は善玉菌と悪玉菌、日和見菌に分けられます。
一般的には善玉菌は体に良くて、悪玉菌は悪い影響を与えると考えられていますが、そんなに腸内細菌の働きは単純ではなく、もっと複雑です。
なので、善玉菌だけを増やす、悪玉菌を殺してしまう、日和見菌には役割がないという理解は大きな誤解です。
大事なのは、腸内細菌のバランスが第一になります。
ただ善玉菌、悪玉菌、日和見菌と分類することで腸内細菌のことを理解するには便利です。
一般的に、善玉菌が20%、悪玉菌が10%、日和見菌が70%の割合で存在すると言われています。
腸内細菌の分類
私たち、ヒトという生物を生物分類の階級のよって表わすと、
動物[界]
脊索動物[門]
哺乳[綱]
サル[目]
ヒト[科]
ヒト[属]
ヒト(sapiens)[種]
となります。
界・門・綱・目・科・属・種は、それらの一つずつが分類階級です。
例えば、
ビフィズス菌では
ドメイン : 細菌 Bacteria
門 : 放線菌門 Actinobacteria
綱 : 放線菌綱 Actinobacteria
亜綱 : 放線菌亜綱 Actinobacteridae
目 : ビフィドバクテリウム目 Bifidobacteriales
科 : ビフィドバクテリウム科 Bifidobacteriaceae
属 : ビフィドバクテリウム属Bifidobacterium
CMとかで見る「〇〇株」って?
乳酸菌◯◯株、ビフィズス菌〇〇株という「株」は、種をさらに細かく分類したもので、固有名称に近く、人でいうと◯◯さんと呼ぶくらいの分類レベルです。
細菌には約80の門がありますが、人の腸に住んでいるのは、フィルミクテス門、ボクテロイデス門、アクチノバクテリア門、プロテオバクテリア門の4門。
腸内環境の90%以上はこれら4門が占めています。多くの細菌から4門に限られる理由は腸内の免疫グロブリン(IgA)の量との関係が示唆されています。
まとめ
腸内細菌の詳しい分類や名前を覚える必要はありません。
ただ一般的に言われているような、善玉菌、悪玉菌、日和見菌のようにひとつの側面から見た性質だけで、分けて説明することはとても難しい、ということを理解しておいてください。
腸内細菌に関してはまだまだわからないことが多く、今後情報がどんどん更新されていくでしょう、常に新しい情報を得るためのアンテナは張っておきましょう。